岐阜県美濃市の愛されフード『末広堂美濃アイス』を調査! “愛す”思いを込めた、3代続くアイス最中
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。
今回は、美濃和紙の産地『岐阜県美濃市』の『末広堂美濃アイス』です。聞き込みをすると、『末広堂』という店が作る、さっぱりしたジェラートのようなアイス最中で、60年以上愛され、定番はバニラ。一時は途絶えたものの、地元の声で復活したという話も。
おじゃました『末広堂美濃アイス』は、テイクアウトのみのアイスクリーム専門店で、およそ70年、地元で親しまれています。店名がそのまま商品名になっているアイス最中の中でも、不動の人気ナンバーワンの“バニラ”をいただきました。加藤アナは「新感覚バニラ!」と、口に入れた瞬間に無くなっていくようなサッパリとした味わいを感じ、「粉雪みたい」と表現。ジェラートに近いアイスクリームです。
68年間作り続けてきたという、このバニラ。ご主人から、「実は、バニラエッセンスは入っていない。牛乳も使っていない」と衝撃的な発言が!商品の原材料の項目には“乳製品”と砂糖と書いてありますが、どんな乳製品か?は企業秘密。異なる味わいを持つ乳製品を4つほど掛け合わせて原料液を作り、香料や保存料も一切加えず、素材本来の風味を活かしているそう。それが独特の爽快感を生み出しているのだとか。さらに、ご主人が「うちの心臓部」と言ったのは、創業当時から使い続けているアイスクリーム製造機。“練り機”と呼ぶこの機械で、原料液をかき混ぜながら冷やし固めていきますが、その日の湿度や外気温を見ながら回転速度や冷やす温度、時間が一つでも違うと、創業当時と同じ食感や味が出来ないそう。
その原点は、初代である祖父で、戦時中、大阪で営んでいた和菓子店を閉め、故郷の美濃市へ帰る途中においしいアイスクリームに出会ったとか。感動した味を地元でも…と店を開き、人気店に。その後、2代目を継いだ父親があずき味を考案し、店を続けていましたが、今から10年前に体力的に大変になり閉店。すると、当時、会社勤めをしていた現・3代目のもとに地元の友人たちが来て、「あのアイスが食べたいから、お前が店をやれ!」などと半ば強引に説得されたのだとか。
その思いに応え、半年後、跡を継いだご主人は、皆さんにより楽しんでもらうため味のバリエーションを増やし、現在は7種類に。そして、店名も商品名も『末広堂美濃アイス』と改めたのは、地元・美濃を『愛す』という気持ちを込めてのことだとか。
愛し、愛され、地元の人たちの熱望によって再開した、まさに愛されスイーツでした。
(7月20日(木) CBCテレビ「チャント!」より)