笑顔さわやかアナが名古屋駅西エリアの『焼き太きしめん』を調査! 五感で食欲をそそる掟破りの逸品!
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCアナウンサー2年目の松本道弥アナが全力で調査します。
今回は、高層ビルが立ち並ぶ名古屋市中村区『名駅西エリア』の『焼き太きしめん』です。名古屋で“きしめん”は有名ですが、“焼いたきしめん”とは一体?
街で聞き込みをすると、鉄板ナポリタンのきしめんバージョンのようで、焼くと麺のコシがアップして、モッチモチ。1本ずつしかすすれないほどの太い麵だとか。『朝日屋』という地元のうどん店の一品だそうです。
『朝日屋』は、昭和初期から3代続く、名駅西エリアの老舗のうどん店。鉄板皿にのせられグツグツと音を立てながら登場した『焼き太きしめん』は、この店でダントツの人気ナンバーワンメニュー。ムッチムチの太きしめんに、香ばしい醬油ダレが絡み合う五感で食欲をそそる逸品です。幅広のきしめんを多めに箸で持ち上げ、食べ始めた松本アナ。てこずりながらモチモチ感を味わいました。
名古屋の一般的なきしめんと比べると、幅が1.5倍ほど広く、厚みもある太きしめん。茹でてから炒めても伸びにくい特殊な麺に巡り合えたことで、『焼き太きしめん』が生まれました。
玉ねぎ、ピーマン、豚肉を炒めたら、この店の全ての麺類に使っているムロアジの出汁と太きしめんを入れ、出汁の旨味をじっくりと麺に染み込ませたら、自家製の醤油ダレを絡め、焼き色がつくまで炒めて完成です。
味をまとめる醤油ダレは、実はオリジナルの“焼き肉のタレ”。その理由を紐解くと…、朝日屋は90年前、現・店主の祖父が出前専門のうどん店として創業。当時は、シンプルなうどんやきしめん、丼ものなどが人気でした。高度経済成長期の真っ只中、名古屋駅西口が新幹線口となり、街が変わっていく中、2代目を継いだ父親が、一気に増えたビジネスマンのランチ需要に応えるため考案したのが“焼き肉定食”でした。そのための鉄板皿があったため、お客さんから「焼きうどんを作ってくれ」というオーダーがよくあったものの、2代目はそれを絶対に許さず、3代目となった店主もその鉄の掟を守ってきました。しかし、家の食卓ではオリジナルの焼き肉のタレを使った焼きうどんがのぼることがあり、実は3代目はその味が忘れられなかったそうです。
10年ほど前のこと、釜揚げでしか出してなかった太きしめんを「他の味でも食べたい」との近所の常連さんからの要望をきっかけに、焼ききしめんを試作。出汁やタレの染み込みがよいのに麺は伸びず、モチモチとした新しい食感が生まれ、メニューに加えることを決意。「焼きうどんはダメと言われたけど、焼ききしめんなら…?」と掟をかいくぐり、先代から引き継いだ秘伝の焼き肉のタレを使った『焼き太きしめん』を誕生させたのです。
その後は、味噌、マヨネーズ、ネギ塩、イタリアンなど味のバリエーションを10種類に増やし、今では注文の8割を占める愛されフードになりました。
(2月10日(金) CBCテレビ「チャント!」より)