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<論説コラム>米大統領の就任式は新型コロナとデモ厳戒態勢で異例づくしの船出

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<論説コラム>米大統領の就任式は新型コロナとデモ厳戒態勢で異例づくしの船出 | CBC論説THEコラム | CBCテレビ


【CBCテレビ チャント!論説室コーナー】
※1月18日放送の『チャント!』~暮らしに役立つ!ニュース用語講座~に基づく原稿内容です

アメリカ合衆国の第46代大統領に決まったジョー・バイデン氏の就任式が、1月20日にワシントンで行われます。

■大統領就任式とは?
アメリカ大統領の任期は、合衆国憲法修正第20条によって「投票翌年の1月20日正午」からと定められています。4年に1度、首都ワシントンの連邦議会議事堂前を会場に、大統領就任式が行われます。新大統領の就任を国内外に示す“お披露目”が目的であり、ここで新大統領が行う「就任宣誓」は法律で定められた義務でもあります。

■なぜ「1月20日」になった?
この大統領就任式、初代のジョージ・ワシントン大統領の1789年は4月30日でした。その後、3月に繰り上げられましたが、現在の「1月20日」になったのは、フランクリン・ルーズベルト大統領の2期目、1937年でした。なぜ大幅に早まったのか?
それは1929年に起きた世界大恐慌です。世界経済に暗い影を落とした大恐慌に対し、早急に政策を打ち出す必要があったためです。それでも、11月3日の投票から2か月以上も経つ「1月20日」の就任、時間がたっぷりありそうに思いますが、この期間は準備期間として必要とのこと。敗れたトランプ大統領が「選挙は無効だ」と法廷闘争を仕掛けた今回のような事態があると、たしかに就任までの時間がある程度必要だったかもしれません。

■就任式にはこんな歴史も?
過去の就任式では、いろいろなエピソードがありました。
初代のワシントン大統領は、史上最も短いスピーチで知られています。1793年2期目の就任式、演説はわずか135の単語でした。1949年、ハリー・トルーマン大統領の2期目は就任式が初めてテレビで中継されました。インターネットで初めて中継されたのは、ビル・クリントン大統領、1997年の就任式でした。そして、今回のバイデン新大統領の就任式でも、初めてのことが予定されています。それは初のバーチャルパレードです。
新しく就任した大統領は、連邦議会議事堂からホワイトハウスまで華やかなパレードを行いますが、今回は新型コロナ禍の真っ最中。沿道に人々が集まる“密”を避け、感染拡大を防止するため、今回はインターネットによるバーチャルパレードとして、実行委員会では人々に集まらないよう呼びかけています。

■トランプ大統領は異例の「欠席」
1月6日に起きたトランプ大統領支持者らによる連邦議会議事堂への乱入騒動を受けて、就任式当日の新たなデモ行動を警戒し、首都ワシントンは厳戒態勢が続いています。
さらに選挙に敗れたトランプ大統領は、「就任式には出ない」と欠席を表明しました。現職の大統領が、たとえ選挙に負けたとしても、新しく選ばれた大統領に対し就任式で祝意を表すのは長年の慣例でしたが、トランプ大統領は、大統領としての最後の日まで独自の抵抗を続けることになりそうです。新型コロナへの対応、デモへの厳戒、そして現職大統領の欠席と、今回のバイデン新大統領の就任式は、まさに異例の中での祝典となります。

■新大統領を待つ沢山の課題
就任するバイデン新大統領を、多くの課題が待ち受けています。
目の前の課題は新型コロナ対策と経済再生です。さらにトランプ大統領が門戸を閉ざした国際社会と関係改善。環境問題に取り組むパリ協定やWHO(世界保健機関)への復帰、核軍縮への対応など外交の動きも加速します。そして何より大切なことは、「アメリカファースト」を合い言葉にこの4年間、トランプ大統領が国内外に拡大させた「分断」という傷跡の修復です。これは容易なことではありません。

「分断ではなく結束を」と呼びかけるバイデン新大統領。普通スタートラインは、まっさらな「ゼロ」からの始まりですが、トランプ政権4年間の“負の遺産”をまず「ゼロ」に戻すことが初仕事のようです。バイデン新体制、まさにマイナスからの前途多難なスタートとなりそうです。

【チャント!「暮らしに役立つ!ニュース用語講座」より by CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

画像:CBCテレビ:画像 『チャント!』~暮らしに役立つ!ニュース用語講座~

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