シリアからの悲しいニュース、いま考えること。
石塚元章
過激派組織「イスラム国」とみられるグループが、フリーランスのジャーナリスト・後藤健二さんを殺害したとする動画が公開された。この知らせに対しては、怒りや悲しみなど、皆それぞれの思いがあるはずだ。
私は放送局の人間として、後藤さんがフリーのジャーナリストだった...ということを改めて考えた。
日本の放送局の場合、戦争取材などでフリー・ジャーナリストや地元に暮らしている人たちを頼ることがある。万一の事態を避けたいという気持ちが頭をもたげてしまうからだろう(そうではない人だっているし、そうした判断が正しい場合だって、もちろんあるが...)。
1999年。私はユーゴスラビアで、NATO軍による空爆や内戦・民族対立が続くコソボと呼ばれるエリア(のちに独立)を取材していた。武装した治安部隊や空襲警報、衛星電話をどうやって隠すかの算段...などにようやく慣れ始めたころ、案の定、「そろそろ撤退しては...」の声が上がり、議論となった記憶がある。
日本のメディアに比べれば、欧米メディアはよほど果敢だったし、かなり危険な現場でさえ女性の記者やディレクター、カメラマンの姿も多く目にした(当時、危険な現場に赴く日本メディアはほとんどが男性だった...。今だって、たいして変わっていないと思う)。
後藤さんがこれまで何を伝えてきたのか、多くの人はいま初めて目にしている。
日本の放送局がやってこなかった仕事や役割のいくつかを、彼ら・彼女らが、懸命に果たそうとしている。そこに気づくとき、今回のニュースが持つ意味はさらに重く、悲しみはさらに深い。
女性の活躍支援
後藤克幸
新年度の政府予算案の中で、女性の活躍支援は、成長戦略の重要な柱と位置づけられています。あまり大きく報道されていませんが、厚生労働省の「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」が1月23日、医療界における女性支援策の現状について報告書を公表しました。
報告書によりますと、女性医師が活躍する割合は年々高まっていて、現在、医学部の学生の3分の1が女性。将来、男女ともに「職場」と「家庭」を両立させながら医療現場で活躍できる環境を整えることが重要な課題になっています。
とくに、医療界は、医療技術の進歩や新しい薬の開発が日進月歩。女性医師が出産や育児によって一時的に職場を離れた場合、その間の医療情報の進展が急速なため、復職に大きな不安を抱える人が多いのです。報告書では、出産、育児により一定期間職場を離れた女性医師の復職が円滑に進むよう、ブランク期間の医学情報の更新や診療技術を補い、現場の感覚を取り戻すための支援が必要だ、と訴えています。
こうした中、地元名古屋市内の病院に勤務する女性医師が中心となって・・・
認知症に国家戦略
後藤克幸
認知症の高齢者が10年後の2025年には、700万人に達するという推計が、厚生労働省から発表されました。現在460万人余りとされていますから、約1.5倍に増える計算です。
医学・医療の進歩によって人類は、長寿を実現した一方で、認知症という病と向き合う宿命を負ったともいえます。昨年秋、認知症予防をテーマにした国際会議が東京で開かれ、その中で日本政府は、認知症対策を国家戦略と位置づけて取り組む姿勢を表明しました。国際会議ではまた、世界中の研究者が、認知症予防と治療の研究に取り組んでいる現状も報告されました。
最近の研究によって、認知症になりにくい生活習慣があるらしいということが、しだいに明らかになってきています。
インフルエンザの季節
後藤克幸
インフルエンザの季節になりました。
毎年、12月から3月頃まで流行します。
インフルエンザのウィルスは、
くしゃみや咳で飛び出す細かい水滴による飛沫感染。
飛沫は、くしゃみや咳でおよそ2メートル飛びます。
インフルエンザのウィルスを含んだ飛沫は空気より重いので、
2メートル以内の場所に、
食器、机や文房具、コンピューターのキーボード、
コピー機の操作ボタンなどがあれば、その上に落ちます。
不特定多数の人が触れるドアノブや手すり、つり革などにも、
この季節は、インフルエンザウィルスが付着している確率が高まります。
インフルエンザウィルスが付着した場所に触れた手で、
食べものを食べたり、口や鼻を触ることで、
ウィルスは体内に侵入してきます。
インフルエンザ予防の基本は・・・
ストリーミングと音楽配信
▼インターネットで聴きたい音楽を入手する際、楽曲データをいったんパソコンやスマートフォンに取りこんで、改めて聴きたいときに聴く「ダウンロード」方式が主流だった。
▼これに対し、音楽をネットで受信しながらそのまま再生するのが「ストリーミング」方式。ラジオで普通に音楽を聴く感覚に近い。
▼ダウンロード方式は1曲いくらで対価を支払うケースが多いが、欧米では今、定額(場合によっては無料)で聴き放題になるストリーミング型の音楽配信が人気を呼び、急成長しつつある。
▼「ストリーミングラジオ」「パーソナルラジオ」などの言葉も使われるようになっている。streamは「流れる」の意味。