女性の活躍支援
後藤克幸
新年度の政府予算案の中で、女性の活躍支援は、成長戦略の重要な柱と位置づけられています。あまり大きく報道されていませんが、厚生労働省の「女性医師のさらなる活躍を応援する懇談会」が1月23日、医療界における女性支援策の現状について報告書を公表しました。
報告書によりますと、女性医師が活躍する割合は年々高まっていて、現在、医学部の学生の3分の1が女性。将来、男女ともに「職場」と「家庭」を両立させながら医療現場で活躍できる環境を整えることが重要な課題になっています。
とくに、医療界は、医療技術の進歩や新しい薬の開発が日進月歩。女性医師が出産や育児によって一時的に職場を離れた場合、その間の医療情報の進展が急速なため、復職に大きな不安を抱える人が多いのです。報告書では、出産、育児により一定期間職場を離れた女性医師の復職が円滑に進むよう、ブランク期間の医学情報の更新や診療技術を補い、現場の感覚を取り戻すための支援が必要だ、と訴えています。
こうした中、地元名古屋市内の病院に勤務する女性医師が中心となって・・・
認知症に国家戦略
後藤克幸
認知症の高齢者が10年後の2025年には、700万人に達するという推計が、厚生労働省から発表されました。現在460万人余りとされていますから、約1.5倍に増える計算です。
医学・医療の進歩によって人類は、長寿を実現した一方で、認知症という病と向き合う宿命を負ったともいえます。昨年秋、認知症予防をテーマにした国際会議が東京で開かれ、その中で日本政府は、認知症対策を国家戦略と位置づけて取り組む姿勢を表明しました。国際会議ではまた、世界中の研究者が、認知症予防と治療の研究に取り組んでいる現状も報告されました。
最近の研究によって、認知症になりにくい生活習慣があるらしいということが、しだいに明らかになってきています。