身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。ドクターは、東京女子医科大学心臓血管外科教授・講座主任医学博士新浪博士先生です。今回のテーマは「〜ヒートショックの落とし穴は?〜冬に多発する心筋梗塞対策」12月に入りグッと寒くなる今、猛威を振るう病気が「心筋梗塞」。年間死者数は3万人を超え、12〜1月は特にその数が増える傾向にあります。冬の心筋梗塞の大きな原因の1つとして考えられるのが「ヒートショック」。ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が大きく変動し心臓や血管がダメージを受けること。寒い時期に発症しやすく、全国で年間約1万9千人が、ヒートショックで急死したという推計もあります。そこで今回は、日常生活に潜むヒートショックの原因と対策などを専門医に教えてもらいました。ヒートショックの基礎知識CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』<ヒートショックとは?>冬に暖かい所から急に寒い所に行くと血圧が上昇します。このような血圧の変動を繰り返す事で、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす健康被害を総称して「ヒートショック」と言うのだとか。ヒートショックは、約10℃の寒暖差があると危険だと言われているそうです。<ヒートショックと動脈硬化>冬の寒暖差は誰もが感じるものですが、動脈硬化を起こしている人の場合、血圧が乱高下すると心筋梗塞につながる血栓ができやすいそうです。<寒暖差に注意!>ヒートショックを防ぐためには、外に出る時はマフラーを着けるなど暖かい格好をする事が大切。また、ヒートショックの危険は屋外だけでなく家の中にもあるそうです。家の中に潜むヒートショックの落とし穴<脱衣所の危険ポイント>約10度の寒暖差があると危険と言われるヒートショックですが、冬の脱衣所の平均室温は12.8℃。リビングの平均室温とは10℃以上の温度差があります。そんな脱衣所の危険ポイントは、服を脱ぐ事。肌が直接冷気に触れるため、より寒さを感じやすくなってしまうそうです。<浴室の危険ポイント>浴室に潜む危険ポイントは、床。タイルやプラスチックなど冷たくなる材質の場合が多く、素足で触れるとより寒さを感じやすくなってしまうそうです。<トイレの危険ポイント>ある調査によると冬のトイレの室温は8℃。しかも、便秘の人はいきみが原因で血圧がより上昇してしまう可能性があるそうです。<その他の危険ポイント>暖房が届きにくい廊下や、勝手口があるキッチンも寒くなりやすく、ヒートショックの危険があるそうです。<ヒートショック対策>・脱衣所・トイレ・キッチン・廊下などは小型暖房機を置いて足元を暖める・高齢者は床などが冷たい一番風呂を避ける・一番風呂に入る時は入浴前に湯船の蓋を外し蒸気で室温を上げるヒートショックを防ぐには、とにかく寒暖差を少なくする事が大切だそうです。ヒートショックに追い打ち冬に危険な「モーニングサージ」CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』<モーニングサージとは?>血圧は、1日を通して一定ではなく変動しています。そのなかで、朝の血圧が異常に高くなる状態をモーニングサージと言うそうです。ある研究によると、正常な人と比較して朝だけ血圧が高い人は、心筋梗塞などのリスクが2.47倍になることが分かっています。また、冬季の寝室の平均室温は12.6℃で温かい布団の中とは寒暖差があり、ヒートショックとモーニングサージのダブルパンチによる心筋梗塞の発生率が高いそうです。<あなたは大丈夫?モーニングサージチェック(簡易版)>冬の心筋梗塞のリスクを減らすためにも、ぜひ一度チェックしてみてください。1)朝と夜に血圧を数日測りそれぞれの平均値を出す2)朝と夜の血圧差において朝の方が30mmHg以上高い場合はモーニングサージの傾向あり例)夜の血圧(上)120mmHg朝の血圧(上)150mmHg=モーニングサージの傾向あり一家に一台「血圧計」を「自分は血圧が低いから…」と油断は禁物。久しぶりに測ってみると血圧が上がっている事があるそうです。その原因は、年齢。加齢により動脈硬化が起こると段々と血圧が上がってしまうのだとか。そのため、血圧はこまめに測る事が大切だそうです。生活習慣に潜むヒートショックの落とし穴<ヒートショックの落とし穴「お酒」>お酒を飲むと、血圧が下がります。その状態でお風呂に入ったりすると、さらに血圧が下がり、血圧の乱高下を招いてしまうそうです。<ヒートショックの落とし穴「食事」>お酒だけでなく、食後すぐの入浴も危険だそうです。食事をすると血圧が下がるため、ヒートショックの危険が高まるのだとか。食後に入浴する場合は、1時間近くあけた方が良いそうです。ヒートショックを防ぐ方法<大事なのはヒートショックに負けない体力づくり>ヒートショックを未然に防ぐには、動脈硬化を予防する事。そのために必要なのが「運動」だそうです。運動は、週1日〜2日行うだけでも心筋梗塞のリスクを減らすとアメリカの調査で明らかになっています。つまり、週末に運動するだけでも効果が期待できるそうです。<ふくらはぎを鍛えると効果UP>心臓から体内を巡った血液は、静脈を通って心臓に戻ります。しかし、心臓から遠い脚では、血流の勢いが弱まります。そこで重要なのが「ふくらはぎの筋肉」。ポンプのように伸縮する事で血液を押し戻しているのですが、ふくらはぎを鍛えるとその機能がよりアップするのだとか。さらに、血流が良くなると血管の内皮細胞で「一酸化窒素」という動脈硬化の予防に役立つ物質が作られるそうです。<「一酸化窒素」の役割>一酸化窒素の役割は、大きく分けて2つあるそうです。1つは「血管を拡張させ血流がより流れやすくなる」こと。そして、もう1つは「動脈硬化の進行を抑制」する事。つまり、ふくらはぎを定期的に鍛える事で血流が良くなり、血液中の一酸化窒素が増加。すると、動脈硬化の予防になり、ひいてはヒートショックを防ぐ事にもつながるそうです。<先生おすすめ!ヒートショック簡単予防法「つま先立ちトレーニング」>▼壁などに両手を当ててまっすぐ立つ▼両足のかかとを上げて10秒間キープ▼ゆっくりかかとを下ろす▼上記を1セット5回繰り返す<座って行う「つま先立ちトレーニング」>▼椅子に浅く座り背筋を伸ばす▼手で椅子の端をつかみ両足のかかとを上げて10秒間キープ▼ゆっくりかかとを下ろす▼上記を1セット5回繰り返す<先生おすすめ食材「ブロッコリースプラウト」>動脈硬化を防ぐためには、食事も大切。コレステロールや中性脂肪の数値が高い人は、特に食事に注意が必要だそうです。先生が積極的に食べているというのが「ブロッコリースプラウト」。その中に含まれている「スルフォラファン」という成分に動脈硬化進行を抑制する効果が期待できるのだとか。ただし、ドレッシングはかけすぎないように気をつけましょう。(2024年12月8日(日)放送CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)