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プロ野球に「天皇杯」がない意外な理由

プロ野球に「天皇杯」がない意外な理由

サッカー、バレーボール、柔道などさまざまなスポーツで天皇杯が開催されていますが、このうち最初に始まった天皇杯は競馬です。5月2日放送のCBCラジオ『石塚元章ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、天皇杯の歴史を解説します。

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始まりは明治

天皇賞は、JRA(日本中央競馬会)が春と秋の年に2回開催する重賞競走です。2026年の春の天皇賞は5月3日に開催されました。

石塚「スポーツの世界では天皇賞とか天皇杯とか天皇賜杯とか、要は天皇陛下から優勝カップや盾を貰えるという大会が結構ありますが、その中で最も歴史があるのが、実はこの競馬の天皇杯なんですよね」

時は幕末。鎖国が終わりをつげ外国人が日本に往来するようになり、中には日本で居住を始める外国人も出てきた頃、横浜ではすでに西洋式の競馬が始まっていたとか。

石塚「そして明治になって明治維新が始まり、政府が外国との間で結んだ不平等条約を何とか解消しようと奮起していました」

日本も先進国の一員だとアピールするために明治政府が利用したのが、ひとつはかの有名な鹿鳴館で、外国人を招いてパーティを催していました。当時始まったスポーツとしての競馬も、諸外国に日本の先進性を主張する取り組みだったのです。

外国に倣って

そうして始まった競馬が少しずつ各地に広まっていく中で、さらに先進性をアピールするために大会が開催されることになったとか。

石塚「イギリスの王族が競馬の大会に商品を出していたことを受けて、日本でも明治天皇が商品を出して競馬の大会をやり始めたんです」

これが日本で一番最初の天皇杯と言われています。

石塚「明治13年に、明治天皇が勝者に豪華な花瓶を賜るという『ミカドズベース』と呼ばれるものがあったそうです」

その後正式に天皇陛下から商品が貰える競馬が始まったのは、明治38年1905年のこと。

石塚「帝室御賞典、つまり明治天皇が出した優勝カップが貰える大会が始まり、これはエンペラーズカップと呼ばれたそうです」

今の天皇賞の前身にあたる競馬レースは、すでに明治の半ばから始まっていました。
その後戦争により中断されますが、戦後再開し「天皇賞」という名で現在まで続けられています。

プロ野球にはない天皇杯

競馬から始まった天皇杯がその他のスポーツでも開催されるようになり、現在ではさまざまな競技で天皇杯が行われていますが、原則として天皇陛下からの賜杯がある大会は同じスポーツの中で一つだけというルールあります。

石塚「サッカーや柔道、バレーボール、国民スポーツ大会も天皇杯。女子の場合だと皇后杯もありますが、野球です。プロ野球には天皇杯がないですよね」

実はプロでないところで開催されていたのです。

石塚「これは東京六大学。東京六大学野球には天皇杯があるんです」

東京六大学野球の秋季リーグ戦優勝校には、「天皇杯」は授与されることになっています。しかしなぜプロ野球ではなく、大学野球なのでしょうか。

石塚「実は日本で最初に火が着いたのは、職業野球ではなく学生野球だったんですね」

職業野球、つまりプロ野球よりも先に学生野球がブームになり、中でも東京六大学野球はものすごい人気だったそう。

石塚「大正時代にはすでに、当時の皇太子が自ら商品を出していたんですよ」

当時いかに大学野球が人気だったかがうかがえます。そういった経緯で天皇杯が六大学野球で先に開催されたため、プロ野球では開催されないのです。
何気なく観戦している天皇杯も、歴史を辿るともっと面白みが増すような気がしますね。
(吉村)
 

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