史上初の広域開催、ミラノ・コルティナ冬季五輪開幕へ!聖火台も2か所に
2月6日、イタリアでミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックが開幕します。2月2日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、史上初の広域開催となる今大会の舞台や課題について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員と西村俊仁アナウンサー、三浦優奈が語りました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く直線距離250キロの広域開催
メイン会場となるミラノとコルティナ・ダンペッツォの2都市は、直線距離で約250キロも離れています。直線では移動できないため、実際の移動距離は約400キロに及び、東京から名古屋を超える距離です。
このような分散開催になった背景には、コスト削減という課題があります。オリンピックは費用がかかりすぎるという批判が長年あり、なるべく既存の施設を活用して安く開催しようという方針が取られました。本来オリンピックは1都市で開催するのが原則ですが、ひとつの都市だけでは既存施設で全競技を賄えないため、あちこちに分散する形になったのです。
IOCはこれを「オリンピックの新たなモデル」と位置づけていますが、1都市開催という原則がなし崩しになっているともいえます。
石塚「原則にあまりにこだわりすぎてると、多分オリンピックはもうできないっていう時代になってるっていうひとつの象徴だよね」
立候補都市の減少
夏の大会も含めて、オリンピック開催に手を上げる都市は年々減少しています。
かつては多くの都市が立候補し、激しい競争の末に開催地が決まっていましたが、現在は状況が一変。IOCが開催条件を緩和し、立候補都市の確保に努めている状況です。
注目されるのは聖火台です。今大会では史上初めて2か所に設置され、同時に点火される予定です。
テレビ中継をどうするのか、大事な瞬間を2画面で放送するのか、片方が点かなかったら、ずれたらどうするのかなど、新たな課題も生まれています。
大都会と山岳リゾート
2つのメイン会場は対照的な街です。ミラノは人口約140万人の大都会で、アルマーニやプラダなどファッションブランドの本拠地として知られています。イタリアは南北に長く、北部と南部では雰囲気が大きく異なりますが、ミラノはその中でも都会的なイメージが強い街です。
一方、コルティナ・ダンペッツォは人口わずか5,000人。イタリア北東部のドロミテ山岳地帯にあり、「ドロミテの女王」と呼ばれる美しいスキーリゾートです。氷上競技と雪上競技で、会場を分ける形になっています。
日本人初の冬季メダリスト
コルティナ・ダンペッツォでは1956年に冬季オリンピックが開催されており、70年ぶり2度目の開催となります。
この大会で日本人初の冬季オリンピックメダリストが誕生しました。スキー男子回転で銀メダルを獲得した猪谷千春さんです。猪谷さんは現在94歳で、その後IOCの理事や副会長も務めました。
石塚は1999年頃、IOCの招致スキャンダルを取材した際に、当時、理事を務めていた猪谷さんにインタビューした経験があるといいます。
石塚「いい人でね、いろんなことを教えてくれたっていうのが当時の思い出ですね」
気候変動との闘い
冬季オリンピックは気候変動という大きな課題を抱えています。温暖化の影響で雪が降らなくなり、今大会でもほとんどが人工雪です。
スキー好きの三浦は、人工雪と自然雪の違いを指摘します。
三浦「スノーマシンのものと自然のだと全然違うんですよ。板の掴み方とかが違うので」
プロレベルの選手ならその違いを克服できるのか、逆に難しいのかはわからないとしつつも、差があるのは間違いないそうです。
人工雪を作るには大量の水と電気が必要で、このオリンピックのために広大な貯水池も新設されました。
研究によると、21世紀末には、これまで冬季オリンピックを開催してきた都市のほとんどでまともに大会を開催できなくなり、札幌が辛うじてできるかどうかという状況になると予測されています。
コスト削減を目指しても、人工雪のために水と電気を大量に使うことで、結局コストがかかってしまうというジレンマもあります。
政治に翻弄されるオリンピック
オリンピックは政治的な問題からも逃れられません。
IOCはウクライナに侵攻したロシアの選手に対し、国の代表としての参加を認めず、個人として中立的な立場でのみ出場を許可しています。しかし、ガザに侵攻したイスラエルや、ベネズエラを攻撃したアメリカについては議論にすらなっていません。
石塚「ロシアもひどいことやってるのは間違いないんだけど、もうちょっと議論しないと。二重基準っていうか、ダブルスタンダードじゃないですか、ご都合主義じゃないですかっていう指摘も、オリンピックにはつきまとうというところはありますよね」
本来はさまざまなものと切り離してオリンピックを楽しみたいところですが、現実はなかなか難しい状況が続いています。
(minto)
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