アマゾンで開催の「COP30」、地球温暖化の歯止めが後退に
11月22日までブラジルのアマゾンにある都市ベレンで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議「COP30」。開催地である世界最大のアマゾンは「地球の肺」と言われる熱帯雨林に覆われています。11月19日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサーが、記念すべき30回目となる「COP30」で取り上げられた課題について解説します。
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ブラジルのアマゾンにある都市ベレンで開催された「COP30」。
7か国による「G7」とは違い、COP30の「30」は開催回数を表しています。
小高「気候変動枠組条約の集まりの30回目」
日本は以前、環境団体から「化石賞」という不名誉な賞を贈られています。
その理由は、化石燃料を使用する火力発電に未だに頼っていること。
二酸化炭素の排出量を減らす工夫はさまざまありますが、「火力発電は化石燃料使用の延命行為であり、終焉をもたらすものではない」が受賞理由でした。
小高「バッサリでございました」
「地球の肺」アマゾンの森が減少
「地球の肺」とも言われる、世界最大のアマゾンの熱帯雨林。
小高「呼吸するとこです。肺はね」
つボイ「『地球の肺』。なんでそうかというと、あのへん、鬱蒼たるジャングル。光合成で二酸化炭素を吸収してくれる、ということ」
小高「だから『肺』と言われているわけですね」
ところが、森林伐採や金の採掘、降水量の低下、乾燥による山火事など、さまざまな理由によってアマゾンの緑は年々減っているそうです。
これに困っているのは、古くから森で暮らしてきた先住民の人たち。
工事に携わる外部の人々が山を荒らすことで、川が汚染されるという悪循環が起き、食料確保さえ難しくなっているところもあるそうです。
先住民の権利を守るために
今回、COP30の会場付近で、先住民の団体と環境保護団体による大規模なデモが行われました。
3万とも4万とも言われる参加者の中で、先住民も2500人近くが参加したそうです。
つボイ「ニュースで見ました」
参加した先住民たちは「私たちの森は限界を迎えつつある。アマゾンで暮らす人々の声が十分に反映されるべきだ」などと訴えました。
つボイ「ブラジルも国として発展したい。伐採したらいろいろな生産ができる。だけど、この時代にアマゾンの熱帯雨林を保有することは温暖化を防ぐ。守護神的役割も大切ですし、悩みは大きいと思いますよ」
開発と保全のジレンマがあるとはいえ、森林の違法伐採や違法採掘によって先住民の土地が奪われ、生活圏が縮小させられている実態があります。
今回、いろいろな問題を抱えた現場であるブラジルでCOPが開催されたことには「大きな意義がある」とつボイ。
ところがCOP30は、当初の会期中に交渉がまとまらず、1日延長した上で22日に合意文書の採択となりました。
この合意文書では、焦点の「化石燃料からの脱却」について、産油国などからの反対を受けて記述が見送られることに。
また、気候変動の被害を抑えるために適応への支援として、途上国のインフラ整備などに資金を30年までに3倍とすることが検討されていました。
こちらも「2035年までに少なくとも3倍に増やす努力を求める」との表現にとどまってしまいました。
次回は2026年にトルコで開かれるとのことです。
(nachtm)
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