新語・流行語30語が発表。お笑い発の流行語が壊滅した理由は?
今年の「『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞」ノミネート30語が5日に発表されました。その年を表すような時事問題や流行などを示す用語が選ばれ、12月に大賞が発表される予定です。11月7日放送『CBCラジオ #プラス!』では、芸能記者の中西正男さんが今回の新語・流行語の選出から見えてきたことを解説しました。聞き手は石坂美咲と竹地祐治アナウンサーです。
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ノミネートされた30語を見てまず中西さんが感じたのは、「古古古米」や「オールドメディア」といった時事用語は実際によく耳にしたものの、エンタメに関する用語はもうひとつよくわからないということ。
70年代、80年代は娯楽の王様はテレビと決まっていて、そこで流行ったものは世代を問わず知っていたものですが、今や娯楽の多様化で興味はバラバラ。
竹地も「30語のうちわかるものは18しかなかった」と語りました。
エンタメ分野の単語では、「チョコミントよりもあ・な・た」や「エッホエッホ」が挙がっていますが、これらはSNSでバズったもので、SNSをやっていない人やターゲットの世代が離れると全くわかりません。
これは流行語に限らず、音楽でも同じことが言えます。
「紅白歌合戦と流行語は時代の過渡期にあると思っている。自分が好きなものだけ手元の携帯とかで観る時代になっているので、最大公約数がものすごく小さくなっている」と中西さん。
お笑い発の流行語が壊滅
かつて流行語といえば、お笑い芸人のギャグが取り上げられました。
例えば2012年に年間大賞に選ばれたのはスギちゃんの「ワイルドだろぉ」。
当時はテレビを観ている人も多く、ノースリーブのGジャンがパーティグッズとして売られ、忘年会の余興で使われるといったこともありました。
今回、お笑い芸人のフレーズとしては「長袖をください」が挙がっていますが、これはお笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏さんが『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で発したもの。
これがきっかけで津田さんはユニクロの広告にも起用されましたが、これは津田さんが他の番組でも頻繁に発しているフレーズでもなく、1回の番組で発しただけ。
「流行語に選ばれるようなギャグを生み出すと、翌年活動が難しくなる」という怖いジンクスが言われましたが、一時的に露出が増えすぎると飽きられるのも早くなるのがその原因。
芸人側もそうした傾向を恐れて、フレーズ化したギャグから離れている可能性もあります。
流行語が生まれなくなる?
結局、世代を問わず多くの人が知っているのは時事ネタということになってしまいます。
「トランプ関税」や「古古古米」、「物価高」などは世代を問わず、私たちの生活に影響を与えるものですので、聞かざるを得ないという感じです。
竹地は「このまま行くと、流行語大賞が消えていく可能性すらありますね」と語り、中西さんも「特にエンタメ部門は何が突出しているわけでもなく、『ホンマに流行してんのか?好きな人は知ってるけど』ということになってしまう」とまとめました。
(岡本)
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