もう他のキノコが食べられなくなる?日本一人口が少ない町での取り組み
山梨県の南西部、南アルプスの麓にある早川町は、人口が900人足らずで「日本で一番人口が少ない町」として知られています。町の特産品はキノコ。きのこ栽培を長年続けている「早川きのこ園」には「きのこ嫌いを克服した」「ここのきのこを食べたら他のきのこは食べられない」など絶賛の声が届いているそうです。10月28日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーが「早川きのこ園」の梶原遼太郎さんに伺いました。
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栽培しているキノコについて「メインはシイタケ。他に、キクラゲ、ヒラタケ、ナメコ、マイタケなどを育てています」と説明する梶原さん。
梶原さん「ハウスでは菌床栽培をしています。シイタケだとかなり長くなりますが、11月入ってから、菌床屋さんが木のおがくずなどから菌床自体を作る工程から始めます。
それを5月に仕入れて、ハウスで眠らせて、秋になったらようやくキノコが出てくるという感じで、かなり時間がかかります」
事業の継承
「早川きのこ園」は、早川正治さんが始めてひとりが管理していましたが、今年度から「地域おこし協力隊員」に事業を継承しました。
梶原さんはその隊員のひとりです。
梶原さん「もともと10年くらい前からこの町のことは知っていました。自分は東京生まれ、東京育ちで、こっちに来ることもなかなかなかったのですが、東京で早川町の広報活動をしている人たちがいて、その出店をアルバイトで経験することがありました。
町の宣伝活動を教えてもらいながらしているうちに、町に興味がわいて、何度か来ているうちにシイタケを食べる機会があって、今まで食べたことがないようなものだったので、すごく魅力を感じました」
きのこの魅力
キノコの一番の魅力を尋ねられ「味と柄の太さ」と梶原さん。
「柄の太さ」について具体的に尋ねると…
梶原さん「みなさんカサの部分を召し上がりますが、プラスして食感がもっといい柄の部分に太さがあれば、より歯ごたえもあって味も染みているのでいいです。もともと菌床から栄養を吸い始める部分なので。
普通にお店に出荷されるものだと数日経って、みなさまの手元に届きますが、うちの場合はすぐに出荷してその日中に食べてもらえるような売り方をしています。柄の部分からカサに栄養が届いてしまう前に、おいしい柄を召し上がっていただけます」
なぜ?地域おこし協力隊員
梶原さんが「地域おこし協力隊員」になろうとしたきっかけを改めて尋ねました。
梶原さん「幼少期からキャンプ、山登りに家族と行っていたので、田舎、山のある場所に魅力を感じていました。
それで地域おこしのお話をいただいて、ぱっと思いついたかのように来てしまいました。お話をいただいて1か月で越してきました」
その当時、東京で仕事をしていたという梶原さん、まさに思い立ったが吉日だったようです。
おすすめの食べ方
「早川きのこ園」での仕事について「すごく楽しく仕事をさせていただいています。覚えることばかりで大変ではあります」と梶原さん。
梶原さん「やはり生き物ですので、育てていく上で、言葉を返してくれるわけではないので、いまどういう気持ちか、暑いのか寒いのか、水分足りているのかな、そういう部分を肌感覚で感じ取らないといけないという部分が一番難しいです」
苦労したキノコ出荷する時の気持ちを「うれしい」と表現する梶原さん。
梶原さん「特にスーパーとかに卸して、翌日行ったらもう完売していたらうれしいものです」
キノコはその日に食べると、味は全然違うとか。おすすめの食べかたを伺いました。
梶原さん「シンプルが一番です。ホイル焼きで、お酒を垂らして蒸し焼きにしてお醤油だけとか、バターを乗せてもいいし、何をつけなくても味がしっかりしておいしいです」
町を知ってもらいたい
今後挑戦してみたいことも尋ねました。
梶原さん「もともと早川さんがやっていたきのこの品質を維持することが一番自分が得なければいけないところです。その上で全国的にネットなどで販売していきたいです。
地域活性化につとめたいので、シイタケを通じて町のことをより多くの人に知っていただいて、来ていただけたら一番うれしいです」
評判の高い「早川きのこ園」のキノコ、梶原さんによれば今のところは早川町へ足を運ぶか、または東京で開催されるイベント等で購入できるとのこと。チャンスがあればぜひ手に入れてみたいものです。
(みず)
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