自動車部品の廃棄物で植物を成長。愛知県碧南市の企業の取り組み

廃棄物やごみを出さないようにリサイクルを進める取り組みはかなり浸透していますが、一方でまだまだ開発の余地があるのが「アップサイクル」。アップサイクルとは、廃棄される製品や素材に、デザインやアイデアなどの新しい価値を加え、元の製品よりも価値の高い製品へと生まれ変わらせるさせることです。9月17日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、愛知県碧南市の企業が取り組むアップサイクルについて、つボイノリオと小高直子アナウンサーが取り上げました。
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今回取り上げたのは、植木鉢の製造・販売の他、新素材の研究もしている企業・丸俊セラミック(愛知県碧南市)の取り組み。
丸俊セラミックでは、アイシングループの株式会社シーヴイテックと連携し、自動車部品の生産工程で排出されるバレル研磨汚泥をアップサイクルをスタートさせたそうです。
アイシングループが目指す「豊かな自然と共生社会」の理念に沿った取り組みでもあります。
つボイ「バレル研磨汚泥って言うのが何なのか、よくわかりませんが」
バレル研磨汚泥とは、研磨の工程で発生する廃水に含まれる、研磨粉やコンパウンド、メディア(研磨石)、研磨対象物の微細な削りかすなどが混じり合ったもの。
小高「要は、研磨する時にいろいろ出てくるものが混じった排水ってことですね」
産業廃棄物として処理されてきたものを再利用しようと始まったのが今回のプロジェクトだそうです。
植物の成長を促進させる効果
丸俊セラミックが考えたのは、このバレル研磨汚泥を材料として購入し、新しい植木鉢の材料にすることでした。
つボイ「新しい植木鉢の材料にって一体どんなものですか?」
この汚泥を植木鉢用の粘土に配合し、独自の植木鉢製造技術によって、植物の成長を促進する新しい素焼き鉢が生まれたそうです。
商品画像を見たつボイ、「いぶし銀色の鉢でおしゃれなデザイン」と評します。
この汚泥に含まれる鉄分が、植物の根に活力を与えるそうです。
丸俊セラミックでは昨春から461日かけて従来の植木鉢と、バレル研磨汚泥を含んだ素焼き鉢で植物を育てて確認。
素焼きの鉢が持つ通気性と保水性・そして鉄分が作用して植物の成長に寄与することを証明したそうです。
この商品は「ハニトネ」と名付けられ、10月から一般発売も予定されています。
「このような取り組みがもっと広がってほしい」と締めくくるふたりでした。
(葉月智世)
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