焼却していた魚の皮が、美しいレザー商品に変身。氷見市のtototoという会社が販売。

7月15日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、ちょっと変わった革製品の話題を取り上げました。その革とはなんと魚の「皮」。財布、スマホのカバーなどにした「フィッシュレザー」について、富山県氷見市のtototo代表野口朋寿さんに、光山雄一朗アナウンサーが尋ねます。
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まず「魚の革」である「フィッシュレザー」について尋ねる光山。
野口さん「フィッシュレザーは普段さばいた魚から出る、余りものの皮を素材の革へと加工したものになります。2020年からフィッシュレザーの革製品を販売しています」
具体的にはどんな製品に加工されているのでしょうか?
野口さん「主に財布、名刺入れ、キーホルダー、スマホカバーを作っています」
魚の皮をどのように革に変えるのでしょう?
野口さん「もともとお刺身に加工するときに廃棄予定だった魚の皮を回収してきて、その後、皮に残った身をきれいに包丁で取って、鱗、脂分を洗浄して、植物の成分のタンニンを浸透させて丈夫で腐らないレザーへと加工しています。制作期間は1ヶ月ほどです」
アシスタントの山本衿奈は商品の写真を見ながら、「鱗の質感がすごいです。色もオレンジや黒やブルーがありますね」と感心。
ブリ、真鯛、鮭
フィッシュレザーにはどんな魚が使われているのでしょうか?
野口さん「ブリ、真鯛、鮭の3種類を使っています。それぞれ鱗の模様が異なっていて、表情が出ています。
ブリは細かい鱗模様でなめらかな手触りです。真鯛は鱗の模様がもともとすごく大きくて、はっきりと模様が出て、凹凸がある手触りで、独特な面白さがあると思います」
製作の苦労を伺いました。
野口さん「とても大変で、皮が破れないように慎重に作業する必要があります。最終的にレザーになった革は想像以上に丈夫で、ひっぱってもちぎれないようなものになっています」
フィッシュレザーの業者はまだまだ少なくて、日本では3社くらいだそうです。
命の恵みを無駄にしたくない
そもそもなぜ魚をレザーにしようと思ったのでしょう?
野口さん「魚の皮を活用する背景としては、命の恵みを無駄にしたくない、という思いがありました。
もともと魚の皮は、お刺身やお寿司のように身を加工する際に廃棄されることが多いですが、日本国内で年間数千トンが未利用のまま焼却処分されています。
そういった未活用の資源をフィッシュレザーというものとして活用していくことで、魚の魅力も感じていただけるかなと思っています」
レザーはいろいろありますが、魚ならではというところはありますか?
野口さん「一番は鱗の模様で、魚によって模様の見た目がかなり違う。その唯一無二の見た目、美しさが一番の魅力だと思います」
tototoの由来
tototo(トトト)という会社の名前の由来についても尋ねた光山。
野口さん「魚を表す『魚々』(とと)という言葉があり、それに『と』を足して、『魚々と人間が共存する未来を作る』という意味で名付けています」
フィッシュレザーを使ったtototoの商品はオンラインショップで買うことができるとのこと。
「tototo」で検索すれば販売サイトが見つかるそうです。
(みず)
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