すれ違う日米会談。関税撤廃の日は来るのか?

共同通信によると、アメリカ現地時間の6月16日、石破茂首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領がG7サミット(主要7か国首脳会議)が開幕したカナダ西部のカナナスキスで会談しました。石破首相は日米間の関税交渉について、一定の合意を得た上で7月の参院選に臨みたい構えでしたが、やはりトランプ大統領は一筋縄ではいかなかったようです。6月17日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、つボイノリオと小高直子アナウンサー、永岡歩アナウンサーが、トランプ大統領の話題にします。
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この両首脳による対面会談は2月以来2回目で、およそ30分間に及びました。
会談では日米関税交渉が主な議題で、全ての追加関税の撤廃を求めてきた日本と、それを拒否するアメリカ側とで停滞している協議の打開を目指したと見られます。
しかし双方の溝は埋まらず、今後も協議を継続していく方向にとどまりました。
会談後、石破首相は「今なお双方の認識が一致していない点が残っている。パッケージ全体の合意には至っていない」とし、さらに関税撤廃の合意を目指す時期については『いつまでに』ということを申し上げるのは困難だ」と記者団に述べたようです。
一方、会談について記者団に問われたトランプ大統領は「よかった」と対照的な答えでした。
朝令暮改の大統領
リスナーからシビアな意見が届きました。
「言っては何ですが、会談する意味があるんですか?トランプ大統領は言っていることもやっていることもコロコロ変わる人なので、会談したところで覚えているかどうかも怪しいです。どんなに話しても説得しても、無駄になるような気がしますけど」(Aさん)
つボイ「この心配はもっともかもしれませんね。ここで決めたことをちゃんと守ってもらえる?と心配になるような、あやふやな人間という印象がありますよね」
会談はふたりの首脳によって行われましたが、当然そこに至るまでにはさまざまな閣僚、政府関係者たちとの協議があったはずです。
小高「ただやっぱりそこもトランプさんなので。周りの人間もコントロール不能というか、トランプさん独自でいろんなことを言ったりやったりするので、こうしてしっちゃかめっちゃかになっている現状があるんですけどね」
仮に今回の会談で合意が得られていたとしても、もしかしたらその日の夕方には撤回されるなんていう事態になっていたかもしれません。これまでのトランプ大統領の振る舞いを見ていると、そんな展開もないとは言い切れません。
G7ではなくもはやG1
永岡「2018年のトランプ第一期政権の時にも、終わった後に『あれは認めない』って言いだしたこともありましたよね。トランプさんはもう『G1』だとでも思っているかのように、アメリカだけだって感じです」
行き過ぎた自国至上主義、ひいては自分至上主義とも言える言動の数々をしてきたトランプ大統領。一体どう付き合っていけばうまく収まるのでしょうか?
小高「日本との会談ですから関税問題が中心になってくるんですけど、関税問題も一番最初の頃の勢いはちょっと収まってきていて。各国とのいろいろなやり取りを経て、今では軽く譲歩するような場面もあるので、日本も上手に交渉できるといいんですけど」
シンプルな話?
これに対してつボイも疑問を呈します。
つボイ「素人の見方では、軽税問題って割と簡単なのではないかなって思うんですけどね。損得って客観性があるので、誰にとってもわかりやすいじゃないですか」
どっちがどの程度関税をかけていて、どっちがどの程度の収益があるのか。ゆるぎない数字で可視化されるので、本来であれば損得が一目瞭然のはずです。
小高「都合の悪いことに関してはトランプさんって、割と『知らん』って言っちゃう節もあるしね(笑)」
永岡「根拠もわけわかんないところから持ってきて、むちゃくちゃ言ったりね」
「一度私にやらせてもらいたい」とつボイ。それくらい、今のトランプ大統領の言っていることとやっていることに整合性が取れていないということでしょう。
小高「関税交渉と言いつつ関税だけじゃない、いろいろな問題が紐づいてきてはいるのでね。それが取引、ディールということなんでしょうけど」
目に見える損得だけの話でもないのが難しいところなのかもしれません。日本はまだまだ、トランプ大統領に頭を悩ませ続けることになりそうです。
(吉村)
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