なぜ今?氷の冷蔵庫を大阪・関西万博に展示

かつて電気が今のようになかった頃の冷蔵庫は、氷で冷やしていました。この「氷冷蔵庫」を、栃木県日光市のあるかき氷屋さんが復活させ、なんと現在開催中の大阪・関西万博で展示することになったそうです。6月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、この氷冷蔵庫について、光山雄一朗アナウンサーが「四代目徳次郎」5代目当主の山本仁一郎さんに尋ねます。
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氷冷蔵庫は電気にたよらない氷で冷やすタイプの冷蔵庫です。
山本さん「1950年くらいまで使われていて、今回、復刻版を作りたいと思って復活させました」
どうして復活を思いついたのでしょう?
山本さん「もともとうちでかき氷を20年くらい前からやっていまして、当時から私の父と私で、こういうのがあったら面白いよね、という話をしていました」
日光杉の冷蔵庫
具体的に氷冷蔵庫とはどんな原理で冷やすのでしょうか?
山本さん「電気を使わないもので、今でいうと保冷ボックスみたいなものです。二段に分かれていて、上の段に氷を入れて、その冷気で下の段の食材を冷やすようになっています。高さ1メートル、幅と奥行きが60センチくらいになります。入れる氷は約10キログラムです」
今回山本さんが復活させた氷冷蔵庫の素材について尋ねました。
山本さん「日光杉でできていて、中が今はステンレス仕様になっています。日光杉自体がちゃんと登録されたものなので、それを使っています」
一方、下の段には食材はどのくらい入るのでしょうか?
山本さん「約125リッターくらい入ります」
制作には約3ヶ月ほどかけたそうです。
山本さん「地元の板金屋さん、建具屋さんの技術がすごかったので大変なことはなかったです。周りは喜んでくれている方、見たいという方もかなりいます」
かき氷のための冷蔵庫
この氷冷蔵庫、6月27日から29日まで大阪・関西万博の栃木県ブースに、ホテルのザ・リッツ・カールトン日光と出展されるそうです。その経緯について語る山本さん。
山本さん「一緒に行くリッツ・カールトンさんの食材を入れたりとかしながら、環境問題をアピールしていこうかと。
実は県から打診があり、まずかき氷が出ることになりました。その時、氷冷蔵庫を作るという話が別であったのですが、そこの業者さんが作れないということで、じゃ、うちで作ろうと父親が言い出して、そこから作りだしたのがきっかけです」
「四代目徳次郎」は日光の天然氷の蔵元です。
山本さん「うちは日光の天然氷で作ったかき氷です。イチゴは栃木県1位の産量で、とちあいかという種類を持っていきますので、ぜひそちらを食べていただけるとうれしいです」
万博では氷冷蔵庫はどういう形で展示されるのでしょうか?
山本さん「上にちゃんと氷を入れて、隣のブースが日光のリッツ・カールトンさんでそちらの食材を冷やしたり、うちのシロップを冷やしたりするものとして使っています」
万博での展示が終わった後は、「イベントなどで必要とあれば貸し出しなどもしていきたい」と語る山本さんでした。
(みず)
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