CBC web | 中部日本放送株式会社 / CBCテレビ / CBCラジオ

MENU

中日・川越誠司選手「幻のホームラン」でリクエスト制度改善策を考える

中日・川越誠司選手「幻のホームラン」でリクエスト制度改善策を考える

5月27日、神宮球場でのヤクルト×中日戦。8回に中日の川越誠司選手の打球が右翼ポール近くに飛びました。一塁塁審のファウル判定に対し、中日・井上監督はリクエストを要請しましたが、判定は覆りませんでした。6月7日放送のCBCラジオ『若狭敬一のスポ音』では、このリクエスト制度の改善策について、若狭敬一アナウンサーがリスナーの投稿を交えながら考えます。

関連リンク

この記事をradiko(ラジコ)で聴く

リクエスト改善案

先週若狭が取材した元NPB審判の坂井遼太郎さんは「今のリクエストの環境は不十分。審判は不十分な環境で必死にやっている」との意見でした。

それに基づいて若狭は改善案を4つ提案しました。

その1、リクエスト専用カメラの設置。
その2、リクエスト専用スタジオの設置。
その3、スタジオへの審判と映像スタッフの常駐。
その4、審判員の増加。

このためには莫大なお金がかかります。

映像があるのに

リスナーから多くの意見が寄せられていました。

「先週の説明で、一般論としてリクエストの問題はよくわかりました。しかし、本質は川越選手のホームランのリクエストは、現在の設備でも十分に判断可能な案件だったということです」(Aさん)

多くの解説者が、一塁側からのカメラ映像から「ボールがライトポールの影となって一瞬消えた」と証言しています。

「あの映像を見てホームランではないと言う人が、世の中に一体どれくらいいるのでしょうか?なぜ審判は判定を覆せなかったのか、私はそこが知りたいのです」(Aさん)

「審判が見た映像は私たちがテレビで見たのと一緒なら、ポールに隠れたボールをどう説明するんでしょうか?」(Bさん)

人間だもの?

若狭「このことについては、私、先週も申し上げたつもりなんですが、このシンプルな問いに対して、シンプルに答えます。審判も人間だからです。以上です」

ここで先週も紹介した坂井さんの言葉をもう一度引用しました。

「現地の審判は試合に入り込んでいるため、冷静に判断できないリスクがあります。第三者がリプレイ検証はするべきだと思います」

これが坂井さんの意見でした。

若狭「つまり試合中、興奮状態の審判3人のうち2人が『こりゃホームランとははっきり言えないなあ』と思ったってことです。それ以上でもそれ以下でもない。なんでだ?人間だからです。以上です」

まるで、相田みつをさんの「人間だもの」のように答える若狭。

モニターの問題ではない

先週の放送で、若狭は「リクエストの際に審判が見る映像はお茶の間でファンが見ているものと同じ」と説明しました。

リスナーからは「バックネット裏のモニターが見づらいんじゃないか」との意見も。

坂井さんによると、12球団の本拠地には32~50インチまで、まちまちの家庭用テレビ画面があるそうです。つまり鮮明度は一般家庭と変わらないのです。
問題になった神宮球場のモニターの大きさは不明ですが、「福岡が50インチと一番大きかった記憶があります」とのこと。

若狭「みなさんと同じように見ているんですが、現場で試合に入り込んでいる生身の人間と、おうちで見ている人間とでは精神状態が違うってことです。何で精神状態が違うんだ?人間だからです」

またも相田みつをさんに被せてくる若狭。

小さく改善

リクエスト改善案として、リスナーから多かった意見がこれ。

「リクエストの環境を全てメジャー仕様にしたら莫大なお金がかかるのは当然。そこまでしなくても、できる範囲で小さく改善すればいいじゃないか」

これには若狭も賛同。
一方、リスナーからは過去の事例も寄せられていました。

「2009年に落合(博満)監督は、当時のナゴヤドームに、両翼ポールを天井まで届くようにしました。(トニ・)ブランコが加入して5階席までホームランを打つのが原因でした」(Cさん)
審判からも「ジャッジがしやすくなった」と好評だったとか。

12球団にあるホークアイ

今回、川越選手の幻のホームランの件で、中日ドラゴンズがNPBに提出した抗議文にはホークアイの写真が添付されていました。

「ホークアイ」は、360度鷹の目のように打球の角度、飛距離、速度などがわかる機材。これはすでに12球団の本拠地に設置済み。

データはタイムラグがなく、すぐにパソコンで見られるそうです。バックネット裏にパソコンを1台用意すれば、リクエストの検証に使えるはずですが、そうもいかない理由がありました。

坂井さんによれば「ホークアイはメジャーでも韓国でもリプレイ検証の対象外です。データ改ざんのリスクがあるから」とのこと。

できる範囲で改善

では、ポール際のリクエスト専用カメラをレフト、ライトにそれぞれ2台設置すればいいのではないでしょうか?

ポール際のカメラ設置については昨年12月、北海道日本ハムファイターズの新庄剛監督が球団に要求していました。
しかし球団は却下。理由は不明ですが「おそらく費用対効果」と坂井さん。


ポール際にリクエスト専用カメラを設置しているのは阪神甲子園球場だけ。甲子園はちょうどピッチャーが出てくるスペースに設置できたそうです。


他の球場で同様のカメラを設置しようとすると、ファンがカメラに触ったり写り込んだりしないよう、ある程度客席を潰す必要があるそうです。

若狭「判定は現地の審判のまま。でもホークアイを活用しましょう。甲子園以外の11球団の皆さん、ポール際に専用カメラを設置しましょう。ただしそれぞれリスクがあります」

野球ファンの皆さんはどう考えますか? 
(尾関)

 

この記事の画像を見る

オススメ関連コンテンツ

PAGE TOP