国際的な盆栽ブーム。国内で盆栽の窃盗が相次ぐ

国際的な盆栽ブームを背景に、国内で盆栽の盗難被害が相次いでいると毎日新聞が報じています。一部は外国人グループが関与していると見られ、海外向けに売却している疑いがあるとのこと。日本盆栽協同組合によれば、高級な盆栽ばかりを狙った窃盗事件が一昨年から急増していて、被害総額は1億円以上にのぼるそうです。盆栽の性質上屋内での管理が難しく、業界では防犯対策に苦慮しているそうです。4月26日放送『北野誠のズバリサタデー』では、愛知県岡崎市の盆栽大樹園代表で日本盆栽協同組合員の鈴木卓也さんに話を伺いました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサー、大川興業総裁の大川豊です。
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盆栽の窃盗が特に多いのは中部地方と関東地方とのことで、鈴木さんも一昨年の年末に40鉢が盗まれ、1千万円もの被害に遭いました。
最も高額なもので300万円、先代の方から2、30年ほど育てられ、客から要望されても売らずに大事に育てていたものです。
盗難に遭った後は塀の上にセンサーをつけたり、ライトやアラームをつけたものの、その後も2回ほど狙われ続けています。
一部は取り戻すことができたとは言え、それは幸運なケース。多くは海外に運び出されてしまうため、取り返すのは難しいのが実情だとか。
窃盗団は日本に不法滞在しているベトナム人のグループが多く、闇バイトと同じくSNSで募集しているケースが多く、15~20万円ぐらいで募集しているとのことです。
盆栽が狙われやすい理由
一昨年から急激に盆栽の盗難が増えているということですが、世界的に盆栽の人気が高まっているのでしょうか?
鈴木さん「海外で盆栽の人気が高まっているということが背景にありまして、日本と比べて海外のほうがより高価なので、リスクを冒して持っていっても十分上がりが出るというところですよね」
盆栽はかなり昔から人気がありましたが、ここ2、3年でさらに人気が高まっています。
また、盆栽は他の物と比べて盗まれやすいという特徴もあるそうです。
鈴木さん「高額なのに簡単に移動できてしまって、しかも現金化しやすいというところがあるので、高級時計とかを狙うより簡単という」
高級時計や貴金属のように屋内でセキュリティがしっかりしたものと比べると、盆栽は外で育てるという点でセキュリティの管理が難しいということがあるようです。
手口がだんだん荒っぽく
現金化しやすいというお話が出ましたが、盗難品をどこで売るのでしょうか。
鈴木さん「そういったところもSNSとかで『今、こんなものあるけど』と、盗んだ物をさも自分の物かのように出して売りさばいちゃう。
特に日本と違って中華圏内だとライブコマースといって、ライブで販売して買うという習慣がついているので、結構買う方も抵抗がなく簡単に買ってしまうところがあるんですよね」
セキュリティ対策としてGPSをつけたりしていますが、大樹園さんでは7、800鉢と数が多いため、すべてにつけられるわけではないというのが実情。
鉢を固定していても上の部分を切ったり、鉢が重いため木の部分だけ抜くなど、どんどん手口が荒っぽくなっているのだそう。
闇バイトと同じく、大元の逮捕が望まれます。
(岡本)
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