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仙台の弁護士バンド「the spring men」がラブソングを歌わない理由

仙台の弁護士バンド「the spring men」がラブソングを歌わない理由

宮城県仙台市で活動するバンド「the spring men(ザ スプリング メン)」が今月、新曲「Sunlight Breaking Through」をリリースしました。メンバーの半数が現役弁護士で、「ラブソングは歌わない」という独自のポリシーを持つ異色のバンドです。4月24日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、メンバーで仙台弁護士会所属の横田由樹さんに話を伺いました。

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バンド結成のきっかけ

「the spring men」は、ギター・ボーカル、ベース、ドラム、キーボードの4人編成のバンド。メンバーのうち2人が弁護士で、横田さんがベース、宮本洋一さんがドラムを担当しています。

バンドの始まりは「弁護士仲間でコピーバンドをやろう」という気軽なきっかけからでした。ビートルズやオアシスなどの好きな曲をコピーするところから始め、徐々にオリジナル曲の制作に移行。アルバム制作など本格的な活動へと発展していきました。

しかし、弁護士の本業との両立が難しくなり、メンバーの入れ替わりがありました。当初よりも弁護士メンバーが減り、現在は「辛うじて弁護士がふたり残っている状態」。

現在は、オーディションで加わった渡辺日月さんがギター・ボーカルを、横田さんの妻がピンチヒッターとしてキーボードを担当しているそうです。

初のMV制作で手応え

新曲「Sunlight Breaking Through」について、主に作詞・作曲を担当した渡辺さんは「雲間から日の光が差すようなイメージ」と語っているそうです。

東日本大震災をきっかけに作曲を始めた自身の心の復興を重ね合わせた曲で、「過去を振り返りつつ、まだ見ぬ未来への始まりを告げる曲で、誰かの挑戦を後押しできるような勇気ある一歩に繋がれば」という思いが込められているのだそう。

ここで「Sunlight Breaking Through」が流れます。やさしい音と声が心地よい、穏やかな気持ちになれる曲です。

今回は初めてミュージックビデオも制作。曲に自信があったためシングルとしてリリースしようと考え、より多くの人に作品を届けるためには、本格的なミュージックビデオ制作が必要だと考えたといいます。

実際、これまでYouTubeで公開していた他の曲と比べても、視聴回数が伸びているそうです。

ラブソングを歌わない理由

バンド名の由来は、結成当時の弁護士会の会長・高橋春男先生の名前から。横田さんは「苦し紛れに付けた名前」と笑います。

このバンドの最大の特徴である「ラブソングを歌わない」という方針には、弁護士ならではの理由がありました。

横田さんによると、日常的に離婚事件など男女間の骨肉の争いに直面することが多く、純粋なラブソングに対して心理的な抵抗感が生まれてしまうとのこと。

「君だけを見ているよ、一生守り続けるよ、この愛は永遠さ」と永岡歩アナウンサーがラブソングにありがちなフレーズを挙げると、横田さんは「もうね、むしずが走る」と笑います。

現実を知る弁護士だからこその、独自の音楽スタイルのようです。

今後の活動と支援への思い

これまでも、バンド活動を通して被災地支援に取り組んできたという横田さん。今後は、被災地を直接訪問して、ライブ演奏はもちろん、炊き出しや法律相談など、被災地の役に立つ活動も行ないたいと考えているそうです。

「無名の変なおっさんバンドが来ても、被災地の皆さんが困ると思うんですよ。それなりに歓迎されるような、バンドになっていきたいなという風に思ってます」と、横田さん。

今回の新曲の売上金については全て大船渡の山林火災の被災地に寄付する予定だそうですが、「売り上げがまだちょっとイマイチなので」と正直に語る横田さん。ぜひ多くの人に聴いてもらいたいと期待しているそうです。

弁護士という職業がもたらした独自の音楽哲学と震災復興への思い。「the spring men」の活動からは目が離せません。
(minto)
 

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