激減するうずら農家と在庫の山…天狗缶詰が新商品で挑む「#うずら革命」

2025年4月23日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」のコーナーでは、深刻な状況に直面する国産うずら卵産業とそれを打開するための革新的な取り組みを紹介しました。国産うずら卵の約7割のシェアを抱える「天狗缶詰」は、「#うずら革命」を掲げて新商品開発に挑戦しています。うずらの新たな可能性を探るこの取り組みを、天狗缶詰株式会社営業本部の飯田昌宏さんに伺いました。
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創業100年を超える天狗缶詰は、かつて秋葉原で大ブームとなった「おでん缶」を作った会社です。この天狗缶詰が現在取り組んでいるのが、今後のうずら産業の未来をかけた企画「#うずら革命」です。
その背景には、深刻な状況があります。愛知県豊橋市は日本有数のうずら卵産地ですが、30年前に42軒あったうずら農家は、2023年にはわずか5軒にまで減少しました。
近年の物価高騰に加え、昨年福岡で小学生が給食中にうずら卵を喉に詰まらせる事故が発生したことから、多くの自治体で学校給食での使用が見合わせられているのが現状です。
天狗缶詰は生産者を支援するため仕入れ量を維持していますが、販路の縮小により在庫が前年比の1.8倍に膨れ上がるという厳しい状況に直面。そこで、ウズラ卵の消費拡大に向けた社内会議が本格的に開かれました。
イメージ刷新への挑戦
「うずら卵といえば、居酒屋の付け合わせや中華飯のトッピングといったイメージがありますが、それ以外の使い道がなかなか浮かびません。うずら卵だからこうあるべき、という固定観念をなくしたいと思っているんですが、そこに苦慮している状況です」と飯田さん。
一見、あちこちで目にする機会が多いように思えるうずら卵ですが、実際には飲食店で提供されるものの多くが輸入品で、国産を使っているところは少ないそうです。
この状況を打開しようと、天狗缶詰は豊橋市にある愛知大学豊橋キャンパスの学生とともにマーケティングや商品開発に取り組み、3つの新商品が誕生しました。
革命的な新商品
スタジオで、市販化前のサンプルを試食してみることに。
1つ目の新商品「うずタル」は、破損してしまったうずら卵をスプレッド状に加工した商品で、パンに塗ったり、唐揚げにのせたりして楽しめます。
うずら卵は黄身のきめが細かく、濃厚な味わいが特長とのこと。
さらに、こども向けにコーンポタージュ味に仕上げられていて、粒コーンも入っています。試食した北野は「めっちゃうまい!」と絶賛していました。
2つ目の新商品「UZU-HABI(ウズハビ)」は、ジュレで固めたうずら卵。和食やフレンチの前菜に出されるゼリー寄せのような一品です。「ハビ」とは、習慣(habit)を意味しています。
うずら卵4つに、カニカマ、厚揚げ、コーン、枝豆、マッシュルーム入りで、そのままつるっと食べられるとのこと。
北野は「これは普通や」と素直な反応を見せましたが、「タンパク質が11グラムとれる」「カロリーも166キロカロリー」「麦入りで腹持ちもする」という松岡の説明に、「よし!マッチョ市場に行こうか!」と興味を示します。
まさかのミルクキャンディー味
3つ目の商品は、いろいろな意味で大注目だという「みるくうずら」。
見た目は普通のうずら卵ですが、ミルク味のキャンディーのような甘い味付けがされています。
「甘っ!あかん、見た目とギャップがある」と思わず笑ってしまう北野。
多くの人が「意味がわからない」「バグる」と言いながらも、ついつい食べ進めてしまう不思議な商品とのことです。
白玉の代わりにフルーツと一緒に食べることもできるそうで、実際に松岡が自家製あんみつを作って持参。試食した北野は「これいけるわ!なるほど!」と感心していました。
甘いうずら卵、誕生の裏側
開発のきっかけは、「プリン味」の試作だったそうです。カスタードプリンには卵が使われていることから、「卵そのものを甘くしても合うのでは?」という発想が生まれ、そこから開発がスタートしました。
しかし社内では、「なんだこれ?」と半数以上が否定的な反応。
それでも、外部の人、特に学生に試食してもらったところ、「かなり刺さる人には刺さっていた」ため、改良を重ねて商品化に至ったそうです。
これらの商品はまだ市販されていませんが、クラウドファンディングを今月末まで実施中とのこと。気になる方は、ぜひ「#うずら革命」で検索してみてください。
(minto)
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