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追悼・元中日ブランコ選手。球場警備員や中継カメラマンが語った偉業

追悼・元中日ブランコ選手。球場警備員や中継カメラマンが語った偉業

元中日ドラゴンズのトニ・ブランコさんが4月8日、ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴで起きた屋根崩落事故に巻き込まれ亡くなりました。CBCの光山雄一朗アナウンサーはmブランコさんが横浜DeNAベイスターズに在籍していた頃、横浜スタジアムで警備員のアルバイトをしていたそう。当時ブランコさんが打席に立った時だけの特別な指示が出ていたそうです。一方でベテランの中継カメラマンによると、ブランコさんは「カメラマン泣かせ」だったとの証言も。4月14日の『CBCラジオ #プラス!』では、光山が舞台裏から見たブランコさんについて語りました。

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ブランコさんのホームラン伝説

中日ドラゴンズ、横浜DeNAベイスターズ、オリックス・バファローズの3球団でプレーし、日本では8年活躍したブランコさん。
通算181本の本塁打、ドラゴンズでは111本のホームランを放ちました。

ドラゴンズには2009年から4シーズン在籍し、1年目にはホームランと打点王の2冠を獲得。
さらには2010年、2011年ではドラゴンズの球団リーグの連覇に貢献しました。

広いバンテリンドームのさらに5階席までホームランの打球を飛ばす特大打もあり、高さ50mの天井につけられているスピーカーに直撃するホームランも衝撃的な瞬間でした。

唖然と見届けたホームラン

そんな中で光山が個人的にインパクトを受けたのは場外ホームランです。

ブランコさんがベイスターズに在籍していた頃、光山は横浜で大学生活を送っていました。
野球が好きだった光山は横浜スタジアムで警備のアルバイトを開始。

様々なポジションでの警備のひとつにグラウンド警備があります。
球場内のスタンドに立ち、ファウルボールやスタンドに飛んでくる打球に対して笛を鳴らし、危険を知らせる役割です。

光山が印象的だったのが、レフトポールの辺りで笛を鳴らす警備をしていた時のこと。
ブランコ選手の打席でホームラン打球が飛んできました。

光山「これはレフトスタンドに着弾するなと思って、ピーって私は笛を鳴らしたら、着弾するどころか、どんどん角度が上がって伸びていき、我々の頭上を飛び越えて横浜スタジアム場外へと飛んでいったっていう!」

レフトスタンドにいる敵チームのファンらは悔しい表情ではなく、驚きの表情で打球を見送っていたそうです。

光山「私も笛を咥えながら『わー……いかんいかん。仕事放棄しちゃいかん』っていうぐらいの(笑)衝撃があったんですよ」

ブランコさん専用指示

ブランコさんの場外ホームランはもはや日常化。
笛を鳴らす警備員には、ブランコさんが打席に立った時に警戒レベルを2、3段上げるよう指示がきていたほどだったそうです。

さらに球場外での警備では、「ブランコ選手が打席に入った時に言わないといけない言葉があったんです」と光山。

「ブランコ選手が打席に入りました。場外まで飛んでくる可能性がありますので、頭上にお気をつけください」

街ゆく人に対してこのような周知が必要なほど、ブランコさんのパワーは凄まじいものでした。

カメラマン泣かせの打球

光山は前日、CBCの野球中継に関わっているベテランカメラマンと話をした際にもブランコさんの偉大さを実感しました。

野球中継のカメラには選手を追う用、打球を追う用など様々な役割のカメラが設置してあります。
ベテランカメラマンによると、打球を追うカメラを担当した際、打った打者のシルエットと打った瞬間の打球から、どの軌道で打球が飛んでいくのかある程度予測をしてカメラを動かすそうです。

しかし一番苦労したのがブランコさんの打球。予測が外れることがしばしばあったそうです。

というのも、カメラマン目線で見るとブランコさんの打球には2つの特徴があるんだとか。
ひとつは打球速度が想像以上に速いこと。もうひとつは、予想以上に打球が上がること。
そのため、予想していたカメラの画角よりもさらに上にブランコさんの打球が来てしまうことが多く、画角におさめるのが難しかったそうです。

そんなカメラマン泣かせなブランコさんの打球は多くのファンを魅了してきました。

光山「打った瞬間の豪快さ、打席の中でホームランを確信して打球を見届ける姿、忘れられません。野球ファンの記憶に残るプレー。ブランコさん、本当にありがとうございました」
(ランチョンマット先輩)
 

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