伝説のボカロP・光収容、「鏡音リン・レン」17周年記念楽曲を発表
1月19日放送のCBCラジオ『RADIO MIKU』には、クリエイターの光収容さんが出演しました。2008年の楽曲「テレキャスター・ガール」以来「鏡音リンマスター」と名高い光収容さんですが、昨年12月24日、鏡音リン・レン 17th Anniversaryに書き下ろし曲「二重らせん」をおよそ8年ぶりに発表。清水藍がじっくりと話を伺いました。
関連リンク
この記事をradiko(ラジコ)で聴く伝説の鏡音リンマスター
光収容さんは、2008年7月「テレキャスター・ガール」でボカロPデビュー。
この楽曲タイトルが示すようにギター中心のロックナンバーが特徴のクリエイターです。
鏡音リンのマスターとして知られ、代表曲のひとつ「孤独の果て」は、『マジカルミライ2017』のライブステージなどでも演奏されています。
清水「鏡音リン17th記念曲『二重らせん』を描き下ろしされました。いやぁ、素敵な楽曲をありがとうございます!」
光収容「恐縮です。一応生きてます(笑)」
体調のこともあり現在は無理のない範囲で活動しているという光収容さん。
ボカロとの出会い
僕は元々ゲーム音楽のアレンジ等を手掛けていた光収容さん、2007年に『初音ミク』が発売されたことは知っていたと話します。
ただ発売直後「ニコニコ動画」にはカバー楽曲の投稿が多く、オリジナル曲を投稿できるような雰囲気ではなかったため、手を出すのはもう少し先かなと思ったそうです。
光収容「しばらく経って、ニコニコ動画のランキングに『メルト』が上がってきて」
2007年12月に投稿された楽曲「メルト」(ryo(supercell) feat. 初音ミク)は、前述のカバーやキャラクターソングが多かった投稿楽曲を大きく変えました。これまで匿名性の強かったクリエイターが注目されるきっかけともなり、これらの影響は「メルトショック」とも呼ばれました。
光収容さんも、「メルト」によってオリジナル曲の発表を思い立ったひとりです。
清水「カバーソングやキャラクターソングが多かった中、ポップスで恋する女の子の気持ちを歌った『メルト』からいろいろな創作が生まれたりして、2007年末にまた一段ボカロ文化が花開いたのかなと私も思います」
ところでこの時「初音ミク」ではなく、発売されたばかりの「鏡音リン・レン」を選んだのはなぜだったのでしょう?
光収容さんは、ギターロックに乗せるには初音ミクよりも合いそうという理由から、鏡音リン・レンを選んだと答えます。
唯一のラブソング
初投稿となった「テレキャスター・ガール」は2008年7月の作品です。「メルト」からおよそ半年後になります。
光収容「納得いくものが作れなくて、投稿するならいいものを…と思ってて。動画も作らなきゃいけないし、どうしようかなって。結局Windows ムービーメーカーみたいな動画作成ソフトに載せて作るのが一番楽だった(笑)」
清水「初投稿の『テレキャスター・ガール』は光収容さんの嫁がテレキャスターというところから来ていると、古文書に書いてありました(笑)」
光収容「唯一、僕がラブソングだと公言している曲ですね!(笑)」
タイトルにもある「テレキャスター」とは、アメリカの楽器メーカー「フェンダー」の創業者が開発したエレキギターで、「ストラトキャスター」と並び後継商品が多数つくられています。
光収容さんは「ラブソング」と語るほどテレキャスターを愛しているそう。
エレキギターを買うきっかけになったのは、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのアベブトシさんだったそうです。
インタビューはこの後も、アニバーサリーソング「二重らせん」の依頼が来た時の心境など、ファンなら聴き逃せない真相が語られました。
(葉月智世)