お見舞いに、電車のお供に。卵は昔もっと万能だった?

1月20日は二十四節季の「大寒」。小寒から立春までのちょうど真ん中あたりで、1年で最も寒い時期を指します。この日のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』には、リスナーから大寒にちなんだ投稿が寄せられました。なんでもこの時期の卵は栄養満点で美味しいとか。つボイノリオと小高直子アナウンサーが、卵にまつわるエピソードとともに紹介しています。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く冬の卵は貴重だった
きっかけはリスナーのAさんからの投稿です。
「今日は二十四節季の大寒。この日は『大寒卵』と言って、卵を食べると縁起が良いらしいです。
現代では養鶏場で一年中卵が量産されておりますが、昔の鶏は冬前に餌をたくさん食べて栄養を蓄え、冬本番になると卵を産まずにじっとしておりました。
そのため大寒の頃に産まれた卵には栄養がギュッと凝縮されていて、他の時期の卵と比べて一個当たりの栄養価が高かったため、大寒卵として縁起物として扱われていました」(Aさん)
本来ニワトリは、冬にはほどんど卵を産まない習性だとか。周囲が明るく10時間以上の日照があると産卵が促進され、日照時間が短く気温も低くなる冬には卵を産むのを休むのだとか。
現代では鶏舎の照明を調整することで、一年中産卵できるように飼育しているようです。
そのため昔は冬の寒さの中で鶏が卵を産むことは稀で、この時期に産まれた卵は特別な価値を持つとされ、縁起物として扱われていたそうです。
美味しい卵で金運もアップ
大寒卵は縁起が良いだけではなく、栄養もたっぷり。
寒さが厳しい冬になると、ニワトリたちは体温を上げるために餌を食べる量が増え、逆に水分は控えめに摂るようになるため、この時期に採れる卵は濃厚でコクのある味わいになるそうです。
さらにこんな投稿も寄せられました。
「大寒の初日に生まれた卵は健康運や無病息災の縁起物として重宝され、また黄身の黄色が特に濃くなるので、金運にも繋がるらしいです」(Bさん)
小高「風水でも黄色いお財布とか金運にいいって言いますもんね」
なんと栄養があって健康に良いだけでなく、金運にも効果があるとのこと。
大寒卵を食べることで一年の幸運を呼び込むとも言われており、毎年欠かさず食べている人もいるそうです。
お見舞いに卵
この滋養強壮や縁起に良いとされる大寒卵の話を受けて、つボイも自身の思い出を語り始めます。
つボイ「僕らが小さい頃には、街に『かしわ屋』っていうお店があってね」
小高「鶏肉関係を扱う販売店ですね」
今のように何でも取り扱うスーパーマーケットがまだメジャーでない時代、肉や野菜は小売店で買うのがポピュラーでした、卵の場合は「かしわ屋」で売られていたというつボイ。
つボイ「そこには白い割烹着着たおばちゃんがいてね。鶏肉と卵を売ってて、お見舞いに行く時には卵が定番だったんですよ。
栄養価の高い食べ物が十分でないような状況の頃でしたので、これを持って行くとものすごい喜ばれた。
容器も今みたいな透明のパックには入っていなくて、木の箱にもみ殻みたいなものが敷き詰められていて、その上に卵が入ってた。昔は本当に卵が珍重されていたんですよ」
卵の値段や流通が安定したのは、アメリカから養鶏技術が導入されて卵の生産量が大幅に増加してからなのだとか。それ以前の昭和30年代頃までは、卵は貴重な栄養源とされていたようです。
持ち運びにも便利
小高「私は旅のお供にしてましたよ。おやつじゃないですけど、電車乗る時なんかによく持って行って、車内で食べるなんてのをやってましたけどね」
昔は今ほど電車が速くなく、長距離での移動となると目的地に着くまでに結構な時間がかかります。
長時間の移動となると小腹がすくもの。そんな当時の電車内のお供には、ネットに入った2、3個入りのゆで卵や冷凍ミカンなどが定番だったようです。
つボイ「運動会の時もね、卵。運動会終わった後には卵の殻が運動場に良く落ちてるんですよ」
運動会や遠足など子どものお弁当にも、殻付きのままのゆで卵を持たせるのが定番だった
とか。
小高「ごみは持って帰らなアカンよ(笑)」
つボイ「剥いた後にこぼれるんでしょう(笑)」
卵の殻を見ると今でも運動会を思い出すというつボイ。身近な食材だけに、思い出もさまざまだと語ります。
現在でも私たちの食卓には欠かせない卵ですが、昔はお見舞い品から旅のお供まで今よりもっと万能で大活躍だったようです。
(吉村)
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