Z世代は本当に政治離れしてるの?トレンドランキングから原田曜平が分析

『カトリーナの全部全力!』(CBCラジオ)、トレンド学園の生徒会長・カトリーナこと加藤里奈が、今流行りのモノやコトをわかりやすく伝える「はやり~な」のコーナー。12月28日の放送には、マーケティングアナリストで芝浦工大デザイン工学部UXコース教授の原田曜平さんが登場。サイバーエージェント次世代生活研究所が発表した「Z世代ヒットトレンドランキング2024」をテーマに解説しました。
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今回の調査は、昨年の11月8日・9日に行われたもので、いわゆる「Z世代」として16歳から25歳の高校生・大学生・社会人1256人が対象です。
さらに比較のため、Z世代より上の26歳から59歳までの1648人にも調査されたものです。
加藤「やっぱり今の時代、その世代って人数が減っているから、もしかしたら昔ほどの経済効果はないのかもしれないですけど、いつの時代もトレンドを作り出しているのはこの世代ですよね?」
原田「はい。実を言うと今こそ、なんじゃないかなと思ってまして。というのも、昔はメディアがトレンドを作っていたんですよ。雑誌で『今年のトレンドアイテムはこれ!』と書いてたり」
加藤「確かに!パリコレで数年前から決まっていた、みたいに」
かつては大人がトレンドを作っていましたが、最近はこの世代に近い一般のインフルエンサーの影響がメディア以上に大きいと原田さん。
Z世代のトップテン
まずはこの調査のZ世代ランキングについて。
1位は、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」 。テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』のオープニングにも使用され、『紅白歌合戦』でも披露されたおなじみの楽曲です。
Z世代の半数近く(47.8%)が挙げたそうです。
2位はSNSで動画が流行った 「猫ミーム」。
3位も『紅白歌合戦』で歌われたこっちのけんとさんの「はいよろこんで」。
同率3位はテレビアニメ『しかのこのこのここしたんたん』のオープニング楽曲「しかのこのこのここしたんたん」。
5位はTikTokで流行った楽曲「ハッピーハッピーハッピー」 。
6位はアイドルグループFRUITS ZIPPERの曲「わたしの一番かわいいところ」。
7位はXで流行ったお風呂に入らない人たちを指す言葉「風呂キャンセル界隈」。
8位は一般の人が作ったゲーム「8番出口」。
9位は韓国で流行ったフルーツ飴「タンフル」。
10位が昨年『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)に復帰したタレントの「手越祐也」さんでした。
若者のYouTube離れ
原田さんによれば、上位30のトレンドのうち半数がTikTokでバズって流行ったものだそう。
ちなみに2023年のトレンドは半数がYouTube発でした。「若者の間で若者が徐々にYouTubeからTikTokに移行し始めている」と原田さん。
実は最近、YouTubeは中年の方もかなり見るようになっています。
原田「『YouTube観ているから若者だ』と勘違いするのはやめましょう」
この言葉に爆笑する加藤。原田さんはTikTokによりZ世代とのジェネレーションギャップが生まれていると続けます。
原田「『いまの若者はわからん』とおじさんたちは言うけれど、いやいや、向こうは向こうで思ってるぞ。『TikiTok観ろよ』と(笑)」
「新紙幣発行」が首位の理由
さらに「若者の政治離れ」について触れる原田さん。
「Z世代ヒットニュースランキング - 政治編-」でZ世代の選んだニュースが、上の世代とかなり異なる結果となったようです。
例えばZ世代で1位となったのは「新紙幣発行」ですが、上の世代はほとんど興味を示さなかったようです。
これについて「PayPay」などのキャッシュレス決済が進んでいるZ世代にとって、初めての新紙幣だったことが大きいと見る原田さん。
加藤「そこかー!そんな視点なかったな」
30代の加藤にとっても、これが政治ニュースのトップになったことは意外だった様子。
「若者の政治離れ」の対策は
一方で、Z世代の政治ランキングには「石破新総裁」「アメリカ大統領選」「103万円の壁」「東京都知事選」などのワードが入りました。
選挙の話題が多かった2024年ですが、SNSなどを通じて「政治に興味を持った若者は例年よりも多かったのではないか」と原田さん。
「若者の政治離れ」を防ぐために、SNSを活用することが大事と続けます。
加藤「ということは、大人側がこういう状態だと理解してうまく活用すれば若者たちを取り込めると。なるほど」
最後に「ラジオを聴いているおじさま・おばさまと思う世代の人たちが若者の思考に近づくためには、一刻も早くTikTokを始めるのが第一歩だよと(笑)」とまとめた加藤でした。
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