追悼・西田敏行さん「探偵!ナイトスクープ」起用秘話
昨年も多くの有名人の方々が亡くなられましたが、特に印象に残ったのが俳優の西田敏行さん。1月13日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、西田さんと長年『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)で共演し、物真似を披露していた松村邦洋さんが、同じく『探偵!ナイトスクープ』で共演した北野とともに、西田さんとの思い出について語りました。この記事では、北野武監督の映画『アウトレイジ ビヨンド』に出演した時の秘話について語った部分を取り上げます。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く北野誠が西田さんに方言指導
『探偵!ナイトスクープ』での共演をきっかけに西田さんと親しくなった北野誠は、ある飲みの席で『アウトレイジ ビヨンド』に出演することになったと打ち明けられました。
普通の関西弁は話せるものの、役柄上ドスのきいた言葉をどのようなニュアンスで話せば良いのかわからなかった西田さんは北野に相談。後日、飲食店の個室で北野が方言指導をしたのだそうです。
一方で北野武監督の映画出演は初めてで緊張したからか、西田さんは松村さんに「たけしさんのモノマネで褒めてほしい」と言われたそうです。
松村「(たけしさんのマネで)『西田さんはね、あれなんだよなあ。俺、思うんだけど、やっぱり池中玄太(80キロ/日本テレビ系)を観たってこんな幅広い役者はね、日本でいないよ!』
(西田さんのマネで)『ありがとう、ありがとう』っていただきましたね」
たけしさんの代役で練習
そして、西田さんはセリフの練習のため、松村さんに台本のたけしさんのセリフ部分を話してほしいとお願いしました。
松村「(たけしさんのマネで)『何言ってんだこの野郎!お前冗談じゃねえ馬鹿野郎!』
(西田さんのマネで)『おい、何を言うてんねんコラ!』
(すると、西田さんご本人が)『松っちゃん、僕のセリフは僕がやるから。全部やっちゃダメでしょ』」
両方ともものまねができるからこそ、松村さんの独演会のようになってしまいました。
関西の超人気番組に出演
日本を代表する俳優として活躍された西田さんは、数々のバラエティ番組にも出演。
特に関西人にとって印象深いのは、何といっても『探偵!ナイトスクープ』です。
初代局長だった上岡龍太郎さんが2000年に芸能界を引退、2代目局長が決まるまでしばらくの間は、北野などレギュラー陣が局長代行としてつないでいました。
西田さんというキャスティングは誰も予想していませんでしたが、どのようにして決まったのでしょうか?
北野「たまたまABCの人が東映の撮影で京都に来ている時に、西田さんが『ナイトスクープ』をすごいよく観てるという噂を聞きつけて、じゃあお願いするかってなったんですね。
僕らも受けると思ってなかったんで。だって、探偵も知らんかったもんな?」
松村「西田さんの第1回の時に、映画の撮影のまま(収録スタジオに)入られてて、髭が濃かったんですよ。2本目は剃られたんじゃないですかね」
最初は戸惑いも
ただ、最初の頃は大御所ということで、レギュラーメンバーも近づきにくかったそうです。
北野「誰も近寄らんかったよ、一番最初に近寄ったの俺やもん。ABCの人間も局長になってもらってる割には、みんなどうしてええかわからないっていう」
松村「でもだんだん話をしていって、毎回食事会とか忘年会とか新年会は、途中で『もしもピアノが弾けたなら』を歌っていただいて。ものすごくうれしい気持ちになりましたね」
それから19年近くにも渡り局長を務め、関西では「局長」として親しまれるまでになりました。
(岡本)