中日・井上一樹監督、現役時代の4人のレジェンド監督を振り返る
12月9日、CBCラジオ『ドラ魂キング』は、中日ドラゴンズの井上一樹監督のインタビューを放送しました。現役時代に星野仙一さん、高木守道さん、山田久志さん、落合博満さんという4人の監督の下でプレーしてきた井上監督。それぞれの監督と自身との違いなどを語りました。
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1989年のドラフト会議、2位指名でドラゴンズに入団した井上監督ですが、まず振り返ったのは、最初の監督・星野仙一さん。
井上「星野さんは、世の中にこんなに怒ることができる人がいるんだというぐらい、びっくりするぐらい恐ろしい監督だったんですが、本当にズルかったんですよね」
なぜズルいと感じたのか?それはユニフォームを着ている時はすごく厳しい顔なのに、宿舎で会うと柔らかい顔になり、「あんなところでクソ三振しやがって、この野郎」などと言いながらも「明日、しっかりやれよ」と言葉をかけたそう。
このギャップにやられるんだそうです。
井上「『星野さんがそこまで言うなら、明日頑張ろうか』っていう気持ちにさせるのが上手かったですよね。そこは学んでます」
寝たら忘れる高木守道
続いて振り返ったのは、92年から95年、2012年と2013年にチームを率いた高木守道さん。
井上「高木さんは職人肌だったんですよね。頑固な部分もありましたけど、あの人もユニフォームを脱いだ時には穏やかに喋る。その出し入れが上手かったですね」
怒る時は怒りまくりますが、その後は何事もなかったかのように振る舞うのが上手かったそうです。
井上「寝たら忘れてるんじゃないの?って感じで、次の日球場に来てましたからね。ゲームじゃないですけどリセットされる。尾を引かないという意味では素晴らしいと思ってましたね」
話しやすい山田久志
続いて2001年から2003年まで監督を務めた山田久志さん。
山田さんは、星野監督の時のヘッドコーチを務め、選手たちには「なんだよ、聞いたるぞ」と声をかけ話をよく聞いてくれる人だったそうです。
井上「『僕、久しく試合出てませんよ。出してくださいよ』と言ったことがあったんですよね。いま思えばゾッとします」
山田さんは、星野さん、高木さんよりはコミュニケーションが取りやすい監督だったそうです。
ポーカーフェイス落合博満
そして落合博満さんについて語る井上監督。
常にポーカーフェイスで、何があっても動じないところは井上監督にはとても真似ができないそうです。
井上「僕は、嬉しい時は笑っちゃうし、チャンスでの中途半端なバッティングやピンチでのエラーすると、うわ~って顔をしてしまいます。そういったことをしないのはすごいと思いましたね」
落合監督のもうひとつの魅力は、決断しにくいことを瞬時に決断できることだそうです。
井上「人はやはり情に流されると思うんですよね。もう1回使ったろうか、もう1回チャンスを与えようか、となると思うんですけど、あの人は要る要らないの決断が素早くできましたよ」
春のキャンプ
そして来シーズンから指揮をとる井上監督。
2月1日からは春のキャンプ、2月の中盤から練習試合、そしてオープン戦とシーズンへ向かいます。
個々を鍛える厳しい秋のキャンプとは違い、春のキャンプはチームをまとめていく期間と語る井上監督。ここで何をすべきか、ざっくりとした形はできているそうです。
井上「良い考えを持っているコーチ陣もいますから、そういったコーチ陣の助けも借りながら、良いキャンプを過ごすことができれば大丈夫だと思ってます」
ファンへメッセージ
井上「新たに就任をさせてもらった私が、どういった形でみなさんに良い意味での驚きを見せることができるか?を、このオフの間、ずっと考えてきました」
最初に出てきた言葉はファンへの思いでした。
井上「たぶん泣きたくなるようなこともあると思うんですよね。でも、そこで弱音を吐かずに、頑張っていきたいと思いますので、ファンのみなさんも弱音を吐かずについてきてください」
さらに「ドラゴンズが勝てる想像だけしてください!」と前向きに呼びかける井上監督。
「強いドラゴンズ、そして他の球団に負けない、誇れる球団、チームにできるように頑張っていきます。これからも、どうぞ応援のほどをよろしくお願いします」
熱く前向きな井上一樹監督です。
(尾関)