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日常を描いた映画『アイミタガイ』から、世界について考える。

日常を描いた映画『アイミタガイ』から、世界について考える。

11月1日から公開されている映画『アイミタガイ』(監督:草野翔吾)。原作は三重県鈴鹿市在住の中條ていさんの同名作品です。3日放送の『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』(CBCラジオ)では、この映画を小堀勝啓が紹介します。

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小説がこうなるのか

中條ていさんの原作小説も読んだという小堀。
5つのエピソードが、それぞれ独立した話になっていながら、読み進むと登場人物やエピソードが繋がってくるといいます。

小堀「いろんな色の糸が複雑に絡み合いながら織り上がった、上質なタペストリーのような小説です。これをどう1本の映画にするのかなあ?と思いながら観たら、実に巧みに再構成した、温かい素敵な作品になっていました」

主演の黒木華さんが歌う主題歌「夜明けのマイウェイ」は、荒木一郎さん、パルなどが歌っている名曲です。

お馴染みの風景

リスナーからは主演の黒木華さんに関する投稿が寄せられていました。

「公開になりましたねえ。黒木華さんはドラマ『下剋上球児』(TBS系)でも三重県で撮影されていて、勝手に三重にゆかりある女優と認定しています」(Aさん)

「ドラマ『下剋上球児』に出演されていたし、よくこちらの方にも来られます。この映画は桑名とかそのへんでもロケされていたのかな?」(Bさん)

作者の中條さんが暮らしている三重県鈴鹿市や桑名市をはじめ、近鉄沿線でのロケ。

小堀「お馴染みの街並みが映し出されていて、そこで繰り広げられる人々の大切な暮らし、心の機微が丁寧に描かれております」

心の襞を描く

映画は黒木華さん演じる大手ホテルのウェディングプランナー梓を中心に話が進むそうです。梓の恋人・澄人役に中村蒼さん。

澄人は好青年ですが、いまひとつ煮え切らないところがあって、梓との結婚に踏み切らないんだとか。そんな日々の思いを梓は、亡き親友の叶海(かなみ)へメールします。
この叶海の父役が名バイプレイヤーの田口トモロヲさん。

ウェディングプランナーの梓は、ある実業家夫婦の金婚式パーティーを担当することになりますが、その式で弾くピアニストを探している時に出会う老婦人を草笛光子さんが演じます。
草笛さんは時を止めたようにピアノを封印している役。凛として美しい佇まいだそうです。

登場人物それぞれが一歩踏み出せないでいるんだとか。それが最後にはひとつに繋がるそうです。

小堀「こんなに複雑な人々の心の襞を描いて、よく1本の映画にまとめたなあと思います。いくつものエピソードが見事に紡がれて、素晴らしいひとつのストーリーに織り上がっています」

相見互いじゃ

最後に「アイミタガイ」というタイトルについて小堀が解説。
簡単に言えば「お互い様」と言う意味だそうです。

小堀「よく時代劇で、貧しい侍同士がお互いを支え合った時に『すまんのう、いつも』と言うと、『いやいや。武士は相見互い(あいみたがい)じゃ』と言ったりします」

ひとつのことをしてすぐにお返しが来るのではなく、巡り巡って自分に戻ってくる。無意識でした良き行動はいつか自分にも帰ってくる、という深い言葉なんだとか。

小堀「『もったいない』という日本語は今や世界共通語として使われていますが、そのようにこの『あいみたがい』も世界共通語として、これから使われていったらいいなあと、この映画を観ながらつくづく思いました」

この映画を観た人が、三重県鈴鹿市や桑名市を聖地巡礼する日も近いかもしれません。
(尾関)
 

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