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源氏物語をもっと楽しもう!紫式部の謎を紐解く

源氏物語をもっと楽しもう!紫式部の謎を紐解く

季節は11月に入り、いよいよ本格的に秋らしくなってきました。秋と言えば食欲の秋にスポーツの秋、芸術の秋といろいろありますが、11月4日のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』で注目したのは「読書の秋」。休日特集として「女性作家特集」を組みました。『源氏物語』で知られる紫式部に焦点を当て、歴史小説家である奥山景布子さんにその知られざる秘密を解説してもらいました。聞き手はつボイノリオと小高直子アナウンサーです。

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『源氏物語』は最古の小説?

歴史小説の中でも、特に平安時代を専門分野としている奥山先生。
小説家になる以前の大学教員だったころは、平安文学を研究していたといいます。

小高「今年は大河ドラマもありましたからね!」

奥山「盛り上がってますよね」

大河ドラマ『光る君へ』の影響で、紫式部や『源氏物語』が話題となっています。
「平安文学がこんなに一般的に盛り上がるなんて初めて」と、嬉しそうに話す奥山先生。

ただ『源氏物語』が「世界最古の長編小説である」とたびたび説明されていることについて「そうではない」と言及。

『源氏物語』以前にも『宇津保物語』や『落窪物語』に代表される文学作品は多数書かれています。
特に『竹取物語』は『源氏物語』の中で引用されているので、そもそも最古の小説ではないことになります。

「源氏物語があまりに有名になりすぎたので、そのような勘違いが生まれるのも仕方ない」と奥山先生。
ただ源氏物語ほどの名作が生まれたのは、そこに至るまでの先人たちによる文学作品の蓄積があったからこそ、と続けました。

紫式部 VS 清少納言?

紫式部と同時期に活躍した女流作家として清少納言が挙げられますが、ふたりの関係性はどのようなものだったのでしょうか?

つボイ「大河ドラマではものすごいバチバチっとしてましたね」

奥山「あれはちょっと悪く描かれすぎのような(笑)」

小高「でも文献の中には、紫式部が清少納言の悪口を言っている記述が残ってるんですよね?」

なんとなく「ライバル」や「犬猿の仲」といった印象のあるふたりですが、奥山先生は意外なことを言います。

奥山「あのふたり、実際には面識がなかったんじゃないかなと思うんです」

つボイ「えー?」

小高「『光る君へ』は事実をもとにしたフィクションなので、創作的な部分はありますよね」

歴史上の事実は、「なかったこと」を証明するのがとても難しいという奥山先生。
そのため「断言はできないけれど、その可能性は限りなく低い」と語ります。

ふたりが顔を合わせていたことを裏付ける痕跡が発見されていないため、多くの研究者たちの間ではそのような意見になっているようです。

晩年は謎が多い紫式部

大河ドラマから紫式部に興味を持ったというリスナーからの投稿も寄せられました。

「ドラマの方がそろそろ紫式部の没年齢に近づいてきて、終わりが近いと思うと寂しい気がします」(Aさん)

つボイ「紫式部はいつまで生きられたんですか?」

奥山「それがね、わからないんですよ」

なんと没年齢は「不明」で解明されていないのだそうです。諸説はあるようですが、正確にはわかっていないとのこと。

小高「じゃあ、晩年どのように過ごしたのかっていうのも?」

奥山「わからないんです」

そのため奥山先生も、「大河ドラマがどのように終わりを迎えるのか想像がつかない」とのこと。
平安の時代を生き抜き一世を風靡した紫式部は、晩年何を思ってどのように人生を終えたのか?
不明なことが多いのも、歴史のロマンのうちのひとつなのかもしれません。
(吉村)
 

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