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焼肉店の倒産件数が過去最多!物価高で「食欲の秋」に異変

焼肉店の倒産件数が過去最多!物価高で「食欲の秋」に異変

深刻な物価高の影響により、焼肉店の倒産が相次ぎ過去最多のペースとなっています。また、サンマや秋鮭といった海の幸も不漁のようです。10月19日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが「秋の味覚」に起きている異変について解説します。

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今年に入って焼肉店の倒産が急増

「食欲の秋」ですが、いま焼肉店の倒産が相次いでいます。

今年1月から9月までのデータによると、倒産店数は全国で39店となり、過去最多のペースに。
値上げしているお店も増えているとのことです。

大石「肉をめぐる現状はどうなっているのか?」

どうしてこれほど焼肉店はいま厳しいのでしょうか?JAや農水省を取材した大石。

第一の理由は、輸入牛肉の価格が上がっていること。
アメリカで干ばつが発生したため、エサの出来が悪く生産量が落ちています。そのため、供給量が減って、価格が上がったことが焼肉店の経営を苦しめています。

また、燃料費や人件費が高騰していることも経営を圧迫しているようです。

大石「最低賃金も上がっていますからね。アルバイト代も上がるわけですよ」

さらに、焼肉店ならではの理由は「肉の原価率が高い」こと。
売上に対する原価の割合を示す「原価率」。一般的な飲食店における原価率は3割と言われていますが、焼肉店の場合、40-45%になります。
そのため、肉の価格上昇はダイレクトに経営を圧迫することになります。

大石「裏を返せば、利益率が低くなっている」

国産牛肉だけ価格が横ばいなワケ

では、焼肉店はどのように儲けているのでしょうか?

原価率が低いサイドメニューで利益を得ているそうです。

「すると、客としてはサイドメニューでなく、肉ばかり注文すればよい?」と大石が正直に尋ねると、お店の方は困り顔。
ともあれ「焼肉店を守りたいのであれば、値上げを許容して応援してほしい」と続けます。

大石「そもそもの肉の価格はどうなのか?」

実は上昇傾向にあるのは輸入牛肉の価格で、国産牛肉の価格は横ばいです。
豚肉や鶏肉も上昇傾向にある中、どうして国産牛肉だけ横ばいなのでしょうか?

これは物価高の影響で、単に豚肉や鶏肉の人気が上がっていることが理由です。
牛肉は高級食材なので価格が比較的抑えられているというわけです。

大石「世の中の需要と供給のバランスって面白いもんだな、と思いますね」

魚介や果物にも気候変動の影響

そうとなれば、肉の代わりに楽しみたい味覚は、サンマ・秋鮭・スズキ・戻り鰹などの魚介類。
ところが、本来であれば二尾で250円程度の秋鮭も、なんと400円超えに!

大石「なんでかっていうと、秋鮭は不漁だってことなんですね。なかなか穫れない。海水温が高くなっているんですよ」

近年、地球温暖化の影響で水温が上がっているため、かつては三重県沖で穫れていたサンマも、東北沖や北海道沖でないと穫れなくなってきています。
北海道では水温が3-4度も上がっているそう。

果物にも気候変動の影響が出ています。
「高温障害」の影響で、柿は出荷量が少なくなるのでは、と市場関係者の方は心配していました。栗やりんごも似たような状況です。
また、安城市の農家では、梨に高温障害の影響が出ていました。

大石「品種によっては半分くらい捨てていました」

実際に梨を食べてみた大石。

大石「洋酒っぽくて固く、あまり美味しくなかった」

松茸はやや小ぶりながら、東北・長野での出荷量は多い予測ですが、岐阜や愛知の松茸はまだ不透明な見通しだそう。

今月行われる衆院選の争点にもなっている物価高対策。
私たちの暮らしに直結するだけに、各党が講じる対策に注目したいところです。
(nachtm)
 

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