いまこどもに人気の児童文庫レーベル「野いちごジュニア文庫」
読書をする人が減る中、出版業界があらゆる企画を行い本に興味を持ってもらおうと工夫を凝らしています。10月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、そんな出版業界の中でも勢いのある出版社を紹介しました。5年間で売上高を3倍にしたという人気シリーズとは?
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国内の出版市場の縮小に逆行するように、若者が選ぶ出版社として人気を集めているのがスターツ出版(本社:東京都中央区)。
5年間で書籍の売上高を3倍に押し上げたそうです。
特に人気があるのは2020年に始めた小中学生向けの「野いちごジュニア文庫」。
もともとは2007年に立ち上げた「野いちご」という小説投稿サイトでした。
会員登録をすれば誰でも無料で小説読んだり書いたりすることができ、投稿された作品で人気の高いものは、本として刊行されることもあり注目を集めました。
他の出版社と違うところ
これまでこども向け文庫というのはたくさんありましたが、それらは有名な児童文学やアニメの物語を小説にした本というのが主流でした。
そんな中で、誰かが「野いちご」に投稿したオリジナルの小説は新鮮に感じたのかもしれません。
また、こどもの本と言えば大人が買い与えるものでしたが、「野いちごジュニア文庫」はこども自身が買いたくなる本を出版するという発想で運営されているのが特徴。
さらにテーマの多くは「恋愛」。
思春期のこどもたちにとってや恋を初めて知るのにぴったりなのでしょう。
電子よりも紙媒体が人気
「野いちごジュニア文庫」では電子書籍と紙の本どちらも出版されますが、意外にも圧倒的に人気なのは紙媒体とのこと。
装丁を可愛く感じたり、コレクション目的で本棚に並べたくなるなどの気持ちをくすぐっていることも人気の理由のひとつ。
また、紙の本なら友達との貸し借りもできるので、コミュニケーションの道具になるというのもその理由だそうです。
書店が街から消えていき、本が売れなくなったと言われて久しいですが、「野いちごジュニア文庫」の存在によって紙媒体を手に取る新しい世代がに増えていくかもしれません。
(ランチョンマット先輩)