温泉レジャー施設に眠る廃道に隠された“謎”が明らかに 大阪「箕面温泉スパーガーデン」の知られざる歴史を廃道から紐解く!
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は特別に許可を得て、前回に引き続き大阪府の“レジャー施設に眠る廃道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
立ち入り禁止エリアに存在する謎の“穴”や“建造物”
箕面(みのお)市にある「箕面温泉スパーガーデン」は、広大な敷地の中に温泉やプール、ホテルなどがある複合レジャー施設。かつては他にも遊園地やスケート場などもあり、巨大な総合レジャー施設でした。
敷地面積は5万坪を超え、甲子園球場約4.2個分の広さを誇り繁盛しましたが、現在は営業規模を縮小。そのため、使われていない敷地があり、そこには道マニア界でも噂になるほど魅力的な廃道が眠っていると道マニアは言います。
そんな「箕面温泉スパーガーデン」の立ち入り禁止エリアに、今回は特別潜入!前回は名物エレベーターの西エリアを探索し、多くの廃道や白い橋をはじめ、鳥居に神社まで発見した道マニア。今回は、さらにディープな世界が待っているという東側にある廃道を探索しました。
立ち入り禁止エリアには、レンガが4重巻きになった“穴”がいくつも存在。さらに、対岸から川を跨いで敷地へと繋がる“ケーブルカーの跡らしきもの”や“廃墟”、“給水設備と思われる建造物”なども出現。どのような理由で造られたのか分からない“謎”が、次々と姿を現します。
もともとは動物園だった!?数々の“謎”の正体が明らかに
「箕面温泉スパーガーデン」が歩んできた歴史を、広告担当の方からお話を聞くことができました。
(1)“レンガ造りの穴”の正体
「箕面温泉スパーガーデン」ができる前、同敷地には明治43年に造られた「箕面動物園」ありました。「上野動物園」「京都市動物園」に次ぐ日本で3番目に古い動物園で、日本一の動物園を目指し、広大な敷地にはライオンやトラ、ラクダなど多くの動物がいたそう。
動物だけでなく、観覧車もあるほどのスケールを誇りましたが、宝塚市の新しい動物園に移設するのをきっかけに大正5年に閉園したとのことです。
(2)“給水設備らしき建造物”の正体
昔の給水設備ではなく、「この地に温泉が出たことで、温泉を汲み上げている」とのこと。
「箕面動物園」の閉園から35年後の昭和26年、温泉施設として「箕面観光ホテル」が開業。さらにその14年後、周りにプールや遊園地ができ、一大レジャー施設となる「箕面温泉スパーガーデン」が誕生しました。
(3)対岸から川を跨ぐ“ケーブルカーらしき痕跡”の正体
当時使われていた、「箕面温泉スパーガーデン」専用のケーブルカー。たった100mしかなく、日本一短い鉄道と呼ばれ話題を呼びましたが、エレベーターができたことで廃止になりました。
(4)西のエリアに眠る“廃道”、“連なる鳥居”と“神社”の正体
廃道は、動物園があった頃に造られた道を整備してできたかつての遊歩道。しかし、レジャー施設が完成したことで使われなくなりました。
また、当時はホテルでの事故が多かったため、災いをなくすために神社を建立。ホテル開業後から現在も参道は使われており、従業員が月に1度参拝して神社を綺麗な状態に保っていると言います。
(5)西エリアに残る“白い橋”の正体
敷地の中央から西に向かってのびる白い橋は、プールへ行くために造られた専用の橋だったそう。橋の親柱には、銘板があった痕跡も。かつてプールがあった場所には、現在マンションが建っています。
残念ながら“廃墟”の謎は解明できませんでしたが、「おそらく従業員寮なのでは」と道マニアは推測します。
8月27日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より