日本で唯一の合掌式石造り隧道 大分県「日田往還」の廃道に眠る「川原隧道」とは

2024年2月27日(火)放送
日本で唯一の合掌式石造り隧道 大分県「日田往還」の廃道に眠る「川原隧道」とは

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、大分県にある“九州の政治経済を支えた「日田往還(ひたおうかん)」の廃道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)

現存する日本唯一の合掌式石造り「川原隧道」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

大分県日田市(ひたし)はかつて江戸初期からの幕府の天領地で、九州の政治・経済・文化の中心地として繁栄。そんな日田市には、九州各地を繋ぎ、人や物資の往来が盛んに行われる重要な街道「日田往還」がありました。

日田市と大分市を繋ぐ日田往還の廃道には、文政年間(1818年~1830年)に造られたと言われる「川原(かわばる)隧道」が今も残されています。初めは素掘りで造られていましたが、江戸時代後期(1854年)に合掌式の石造り隧道に改修されました。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

合掌式の石造りは非常に珍しく、「日本で現存する唯一の石合掌構造の隧道」と道マニアは言います。

数年前に崩落が起き、今は立ち入り禁止になっていますが、隧道の両サイドに敷かれた石畳も含め、非常に歴史的価値があるということで今も大切に保存されています。

矩形断面が珍しい明治時代の隧道「キリズシトンネル」

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

江戸時代 中津市と宇佐市を往来するには境にある峠を越えるしか手段がありませんでしたが、明治時代に入って隧道が掘られ、新たな道が完成したことで容易に往来できるようになりました。しかしその後、さらに幅の広い道が造られたため、かつての隧道は昭和20年代に廃道になったそう。

その廃道に眠る隧道が、明治3年竣工(1870年)の「キリズシトンネル」。山を部分的に切り開いて造った道「切り通し」がなまって、「キリズシ」になったのが名前の由来とされています。現代には珍しい矩形(くけい)の形状をしており、今も通り抜けることができます。

画像:CBCテレビ『道との遭遇』

内部はノミで削られた跡が残っており、人力で掘り抜いたことがうかがえます。途中の壁面にある等間隔に掘られた窪みは、明かりを灯すロウソクなどの設置に使われたのではないかとのこと。

また、中間部分がカーブしているのは、両サイドから掘り進めたところ軌道がずれてしまい、修正して接続されたためのようです。

2月27日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より

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