日本の道のナゾ!車力道を進むと見えてくる“海の上の国道”とは?
ミキの昴生と亜生の2人がMCを務める『道との遭遇』。全国の道に特化したVTRをミキが様々な視点で楽しんでいきます。
今回は道マニア歴24年という鹿取茂雄さんと一緒に、「車力道」と呼ばれる物を運ぶための道を巡ります。すると、ジブリ映画の世界に突入?
石を運ぶのは女性の仕事?当時の女性は「車力」と呼ばれていた
やって来たのは、千葉県富津市と鋸南町にまたがる鋸山(のこぎりやま)。山の稜線がノコギリのように見えることからそう呼ばれており、江戸時代から昭和60年まで房州石の採掘所として栄えていました。
その麓から山頂に行く道中に車力道があるんだそう。
歩いていくと、突然石が綺麗に並んでいる坂道が現れました。この道が、車力道です。
当時、山頂付近で切り出した房州石を「ねこ車」と呼ばれる荷車に乗せ、この車力道を使って麓まで運んでいました。
運んでいた石は1つ80kg程あり、荷車には3つ(約240kg)積んで運んでいました。石を切り出すのは男性で、運んでいたのは女性でした。
石を運んでいた女性は「車力」と呼ばれており、車力が使っていた道として車力道という名前がついたと言います。
ミキ・亜生「もののけ姫の感じやな」 車力道を進むとジブリの世界が?
さらに進んでいくと、非常にキレイな切通しが。
実はここは元々、大きな石があって通れなかった所でしたが、石を切って切通しにした道なんです。
ねこ車が引きずっていたことによる轍の跡がくっきりと残っている道も出現。その石が削れた跡からは、荷車が何度も通っていたことが見て取れます。
車力道はこの先の集積所で終点を迎えますが、さらに進むと実際に石を採掘していた石切場があると言います。
(ミキ・亜生)
「もののけ姫の感じやな」
足元の石にはコケが生え、まるでそこは「もののけ姫」の世界です。
絶景スポット「ラピュタの壁」とは!?現れたのは巨大な石の壁
石切場に到着。石は直線状にキレイに切り出されており、まるでアートの世界。
そして切り出した跡の石の壁には猫の彫刻が。当時の職人が掘ったとされるこの猫の模様から、ここは「猫丁場」と名付けられ、観光スポットになっています。
鹿取さんによると、ここからさらに山を登っていけばもっと壮大な石切場が見られると言います。
ちなみに、ここから東京湾が一望できるのですが、実はそこは海上国道。
横浜市から首都圏を環状に結ぶ海の上の国道16号。東京湾口に海上区間があり、横須賀市と富津市の港の区間はフェリーで結ばれるという珍しい国道なんです。
そして現れたのが、山が直角にきり取られている巨大な石。まるで神殿のようです。
鹿取さんによると、この光景は少しずつ石が切り出されていき、最終的に今の形になっていったということです。
さらに岩肌に近づくため、最終目的の絶景スポット「ラピュタの壁」へ。
そこは、切り出された巨大な石の壁を間近で見ることができ、さらに街並みも一望できるスポットでした。これにて車力道巡り終了です。
7月26日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より