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ドラゴンズカレンダーに嬉しい“異変”?黄金時代復活へ見つけた好材料

ドラゴンズカレンダーに嬉しい“異変”?黄金時代復活へ見つけた好材料
高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

12月に入り、来年のドラゴンズカレンダーが手元に届いた。表紙には、球団創設90周年のロゴが大きく描かれ、決意を秘めた厳しい表情でそれを見つめる井上一樹監督の写真。就任2年目とは言え、Aクラス、そして15年ぶりの優勝へ“待ったなし”のシーズンになる。(敬称略)

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是非「1ページ1選手」で!

半世紀以上、毎年この時期になると、ドラゴンズカレンダーを手にしてきた。使いながらもページは切り取らず、コレクションとして大切に保存している。かなりの数になった。そんな筆者の持論は、カレンダーの写真は「1ページ1選手であるべき」。わずか12ページしかないカレンダーに写真が載るという“価値”は高ければ高い方が、選手個人の成長も、ひいては、チーム全体の力もアップすると考えている。

10人の選手がひとりでページを飾った

代表的な例として忘れられないのは、星野仙一監督の後を受けた山田久志監督の2年目、2003年(平成15年)のカレンダーである。翌年の落合博満監督による“黄金時代”への扉を開けたシーズンでもあるのだが、その顔ぶれはすごい。1月は福留孝介、2月は立浪和義、3月は川上憲伸、そして4月からも、谷繁元信、岩瀬仁紀、井端弘和、荒木雅博、そして山本昌らが「1ページひとり」で登場する。複数選手のページは11月と12月だけ、それも2人ずつ、全体では14選手しか“選ばれていない”のだ。まさに一騎当千のチームだった。

今シーズンは実質2選手のみ

細川成也選手(C)CBCテレビ

クライマックスシリーズにも出られない低迷期に入ってから、実は「1ページに1選手」がわずか2人か3人の年が目立つようになった。それだけ“際立った”ヒーローが不在だった。

井上一樹監督1年目の2025年(令和7年)は、3人が「1ページに1選手」で登場している。ライデル・マルティネス、高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)、そして細川成也である。ただし、カレンダーの製作過程でおそらく移籍が濃厚だったマルティネスは、すぐにページを繰ることができるよう、1月のページに起用されていた。実質は、高橋宏斗と細川の2選手だけだったと言えよう。

来季は“チームの顔”が増えた

松山晋也投手(C)CBCテレビ

それが来年の2026年版では、一気に5人に増えた。1月はセーブ王の松山晋也、3月は最多安打の岡林勇希、4月はいよいよ“エース道”の高橋宏斗、5月は打って走って大活躍だった上林誠知、そして、7月は3年連続で20本以上のホームランを打った細川成也である。「1ページひとり」が5選手もいるのは、2020年(令和2年)以来、5年ぶりとなった。

ちなみに、その年は、大野雄大、柳裕也、大島洋平、ダヤン・ビシエド、そして、高橋周平である。顔ぶれを見ると、チームの中心選手が世代替わりしたことも分かる。とにかく“チームの顔”となる選手が増えてきたことは間違いない。

悲願のAクラスへ

柳裕也投手(C)CBCテレビ

2026年カレンダーでは「1ページ2選手」の月もなかなか味わいがある。2月は柳裕也と大野雄大。ひょっとしたら柳にはFA移籍の可能性もあったため、早めの登場か?と勘繰ってしまった。残留して良かった。6月は金丸夢斗と石伊雄太という期待の2年目バッテリー、8月は藤嶋健人と清水達也という鉄壁の中継ぎ陣、そして、9月は田中幹也と山本泰寛の二遊間となっている。ペナントレースが終わる10月以降には、ベテランと中堅が複数で掲載されているが、大島洋平らこうした選手の活躍を見るためにも、是非、クライマックスシリーズや日本シリーズに出場してもらいたい。

選手の分解写真も初登場

今回さらに新しい試みとしては、「1ページひとり」の5選手には、ピッチングとバッティングの分解写真も紹介されて、カレンダーに花を添えている。松山と宏斗の投手、“バヤシコンビ”に細川といった打者、それぞれ充実した紹介になっていて、必見の価値はある。シーズン日程も入っているが、是非そこに、14年も遠ざかっているクライマックスシリーズ、さらにそれ以上に遠い日本シリーズの予定を書き加えることができるように、選手たちの踏ん張りに期待したい。

壁に掛けたカレンダーの表紙を繰ると、ドラゴンズ球団創設90周年の記念イヤーが幕を開ける。「今年こそ、今年こそ」と期待し続けてきて幾星霜。次なるカレンダーの表紙は、優勝胴上げシーンの写真で飾ることができるよう、がんばってほしいと心から願う。
                          
  
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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