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勝率5割に復帰!ドラゴンズが初夏の“昇竜気流”に乗るために必要なものとは?

勝率5割に復帰!ドラゴンズが初夏の“昇竜気流”に乗るために必要なものとは?
井上一樹監督(C)CBCテレビ

桜色から新緑へと衣替えした名古屋の街は、汗ばむ陽気の週末だった。そんな中、中日ドラゴンズは本拠地バンテリンドームで、2025年(令和7年)4月19日と20日、昨季の日本一チームである横浜DeNAベイスターズに連勝し、3週間ぶりの勝率5割に復帰した。(敬称略)

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初の3連勝、初のカード勝ち越し

井上一樹監督(C)CBCテレビ

開幕して18試合を戦った新生・井上ドラゴンズは、大きな連敗もなかったが、なかなか連勝もなかった。しかしここへ来て、広島での1勝と名古屋での2勝によって、今季初の3連勝となった。今回のベイスターズ戦は2連戦だったため、カード勝ち越しとなり、これも今季初となった。8勝8敗2分、4月1日以来の勝率5割復帰となり、チームにも、ドラゴンズファンにも、明るい日曜日となった。(成績は4月20日現在)

先発投手陣の頑張り

松葉貴大投手(C)CBCテレビ

ここまでの戦いをふり返ると、最下位にいながら上位とのゲーム差は小さかった。なかなか点が入らないながらも、試合を大きく崩すことがなかったからだ。その立て役者は投手陣である。先発の開幕ローテーションに名を連ねた6投手は、誰も外れることがなく持続している。ここ数年の開幕直後ではなかったことだ。日程の関係で登板がないウンベルト・メヒアが、1軍登録のままウエスタン・リーグで登板している。そんな2軍では21年目のベテランである涌井秀章が好投を続けている。いつでも「1軍での先発OK」なのだろうが、先発投手の枠の方がいっぱいという現状なのである。

松山晋也ここにあり!

松山晋也投手(C)CBCテレビ

先発陣だけではない。リリーフ投手は数も豊富な上、打たれていない。救援陣の防御率は1点台で、リーグでも群を抜いている。絶対的守護神だったライデル・マルティネスが抜けたクローザーも、松山晋也がしっかりと務めている。ここまで10試合に投げて8セーブ、チームは8勝なのだから、すべての勝利マウンドには松山が立っているのである。とにかく投げっぷりがいい。「抑え込んでやる!」という気迫あふれるオーラは、応援するファンにも伝播する。マルティネスにもなかった大いなる魅力である。時と共に、人材はしっかりと育っているのである。セーブ数がマルティネスを上回っていることが小気味いい。

宏斗の“エース道”スタート

高橋宏斗投手(C)CBCテレビ

高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)が、今季の1勝目を挙げたことも大きい。4月19日のベイスターズ戦、登板4試合目にして嬉しい白星を手にした。井上ドラゴンズを引っ張るのは背番号「19」だと、自他ともに認識して臨んだシーズンだったが、開幕戦でまさかのつまずきがあり、まだ未勝利だった。ゲーム後に高橋本人も「ここからがスタート」と語ったように、今後に期待が高まる。それには、武器であるスプリットもさることながら、まずはストレート、直球を大切に勝負していってほしい。

細川の4番で打線は落ち着く

細川成也選手(C)CBCテレビ

「野球はエースと4番」と言われるように、打線の中核は重要である。開幕以来、“シン・井上竜”の象徴として4番を任されてきた石川昂弥が、再調整のために1軍を離れた。代わって、細川成也が4番に入ったのだが、そこからチームは4勝1敗である。石川にとっては厳しい現実なのだが、「細川4番」によって打線は落ち着いた。それは“打ってくれそうな”空気感の違いなのだろう。それが4番打者である。今季の石川に、時おり垣間見られた弱気な表情、これを払拭して再び1軍に戻ってきてほしい。

ホームランを打ってほしい!

中田翔選手(C)CBCテレビ

勝率5割で喜んではいられない。次は“貯金”である。そのためには、一にも二にも打線の奮起である。チーム打率は2割に満たない、総得点も12球団で最も少ない。特にホームランは5本しか出ていない。ベイスターズとの初戦は、中田翔のレフトスタンドへの見事な一発が、満員の観客を魅了した。2戦目は新外国人選手ジェイソン・ボスラーが振り抜いた打球が、応援団が陣取るライトスタンドへ飛び込んだ。このホームラン2本が、連勝にとても大きかった。やはり、ホームランは野球の華であり、チームを勢いづける。これからの戦いの中、是非、チームを上昇させる一発を楽しみにしたい。

次の対戦は、今季初の東京ドームでの讀賣ジャイアンツ戦である。相手クローザーのマルティネスの出番を作ることなく、早い回から得点を積み重ねて、たまには左団扇(ひだりうちわ)で観戦させてほしい。 
                          
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】
 

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)ほか。CBCラジオ『ドラ魂キング』『#プラス!』出演中。

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