「お前、ここで仕事したかったんじゃないのか?」 ドラゴンズ勝野昌慶を覚醒させた落合英二ヘッドコーチの“言葉のチカラ”
【サンドラを観られなかった全国のドラ友と共有したい番組のコト】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
このコラム(?)は「サンドラ」を観られなかった全国のドラ友に話したい! との思いから番組の内容を綴る、竜党のみなさんに向けた、竜党による、竜党のためのコラム(?)である。
4月23日の放送回で共有したいトピックスは、ドラゴンズ勝野昌慶投手と黄金期を支えた竜の元エース・吉見一起さんによるスペシャル対談。「スライダーがエグい」と称賛していた吉見さんが実は開幕前に投手陣のキーマンとして挙げていたのが勝野投手だった。リーグ2位の防御率1.82(4月22日終了時点)を誇るリリーフ陣において欠かせない存在となった勝野投手に、吉見さんならではの視点で迫った好調の要因をここに書き記す。
リリーフ転向の理由は竜の背番号「41」の系譜!?
吉見氏:今日は僕推しの勝野投手です。よろしくお願いいたします!
勝野投手:よろしくお願いいたします(笑)
吉見氏:リリーフ転向は勝野投手からの直訴ですか?
勝野投手:3イニングぐらい投げた次の日に、全然肩が張っていなくて次の日も投げられていたので。山井コーチに中継ぎ全然いけますよと言ったら、リリーフ転向という話もあるよと言われました
吉見氏:先発とリリーフの時の気持ちの変化はありますか?
勝野投手:先発の時の中6日間の過ごし方がすごく苦手だったので。登板間隔が空くと余計な事を考えてしまう。やられて次の先発までの時間が長すぎて、その気持ちを維持できなかった。あと、ちょっと長いイニング投げるのは・・・(苦笑)
吉見氏:浅尾コーチも同じ事を言っていた。しかも背番号一緒だしと思って。41番はそうなるのかなって今思った(笑)
勝野投手:投げる体力は先発をやったことでついたと思うんです。そういうところでも自信を持って今はやっています
吉見氏:大事だね、自信は
リリーフ成功の秘訣は“邪念を捨ててマウンドに上がる”
先発時代は20試合勝ち星に恵まれていなかったのだが、リリーフデビューとなった今シーズンの開幕戦でなんと“1球”で勝利投手となった。先発をしていた当時の苦悩に吉見さんは迫った。
吉見氏:先発で勝てなかった時に何か思っていたことはありますか?
勝野投手:そこまで自分の中では勝ちにこだわっていなかった。ピッチングの内容が悪かったから勝てないとずっと思っていたので。勝ちについては周りから言われたので多少は意識しましたけど(笑)。でもそこまでかなと
吉見氏:先発の勝ち星を消しちゃいけないとか、そういう邪念は入るんですか?
勝野投手:多少はありますけど、絶対にマウンドに上がる時には忘れて行こうと思っています。開幕戦の(小笠原)慎之介の後の時もめちゃくちゃ緊張したんですけど、マウンドに上がったらもう忘れていました
勝野投手をリリーフとして覚醒させた“落合ヘッドの言葉”
ここまで10試合に登板して防御率1.00の好成績を残し、いまや欠かせない存在となっている勝野投手にはリリーフ投手として覚醒させるきっかけとなった試合があった。リリーフデビュー戦から2日後の今季2度目の登板。同点で迎えた7回のマウンドでピンチを招いた場面のことだった。
勝野投手:マウンドに落合ヘッドコーチが来られて言われたのが、「お前ここで仕事したかったんじゃないのか。もっと生き生きして投げろ」って言われた時に目が覚めたというか。思い切って投げられていたわけじゃないので、そこで気持ちを切り替えられた。打たれたら嫌だなとか、先発の時はそんな事ばかり考えていたので。その後、点を取られたんですけど気持ちは切り替えられました
リリーフ転向で得た“自信”を武器にセットアッパー奪取を宣言
落合ヘッドコーチの言葉で奮い立った試合をきっかけに1球に懸ける思いが変わった勝野投手。今季は持ち味である勢いのあるストレートとキレ味抜群のフォークに加えキレを増したスライダーが投球のレベルを上げている。確かな手応えを感じている勝野投手は今後の目標について強く高らかに宣言した。
勝野投手:変化球が特になんですけど投げる時にしっかり空振りをとりにいく事を、今意識して投げています
吉見氏:先発の時は?
勝野投手:先発の時はまず自信がなかったんです。スライダーもストライクがいつ入るかわからない。カーブは絶対基本ストライクが入らない(笑)。(決め球が)ストレートとフォークしかないのに長いイニング投げられるかなっていう。特に今年はスライダーを自信もって投げられている。まず自信をもって投げられている分、気持ちも先発の時よりも今のほうが出せている感じが自分の中にあるので
吉見氏:充実している?
勝野投手:はい!ゆくゆくは今、清水が投げている8回を奪いたい
吉見氏:なるほど、セットアッパーってことね
イチ視聴者(筆者)の番組感想まとめ。 勝野投手には背番号「41」の先代をも超えてしまう活躍に期待!
今回のサンドラを観た感想・・・。リリーフ転向の背景から現在の好調の理由を語ってくれた勝野投手の赤裸々トーク。先発をしていた時はスライダーとカーブがいつストライクが入るのかわからないほど不安定だったと明かしていたインタビューの表情は苦笑い。ただ笑い話にできるほど今は自信を持てる球種になったことの証なのだと感じました。
また落合ヘッドコーチの激励がリリーフとして覚醒したきっかけになった裏話は実に興味深いものでした。インタビューの最後には清水投手からセットアッパーの座を奪うとまで宣言するほどリリーフ転向で得た自信は相当なものなのでしょう。
背番号「41」のセットアッパーといえば2011年にセ・リーグのMVPにも輝いた浅尾拓也コーチの強烈な活躍が今でも鮮明に思い出されます。勝野投手にも浅尾コーチと同じく絶対的なセットアッパーとしての活躍はもちろんなのですが、個人的には浅尾コーチよりもずっと長く活躍してほしい!記憶でも記録でも背番号「41」の先代を超える活躍を期待しています。
(このコラムを書いたのは・・・サンドラ視聴歴約30年の40代竜党)