井端激白!『(荒木は)上手いんだわ!』名手アライバコンビ、悶絶落合ノックに無言の駆け引き!?地獄のキャンプ後編
CBCテレビ野球中継「燃えよドラゴンズ」燃えドラch
川上・井端のすべらない話シリーズ 地獄のキャンプ編
ドラゴンズ黄金時代を支えた投打の両輪でもあり、97年ドラフト同期でもある川上憲伸、井端弘和が、グラブからマイクに代え、イバケンコンビを結成!燃えドラchというフィールドで球界裏話や同僚、ライバル話を大放出!
大好評の川上・井端のすべらない話シリーズ、地獄のキャンプ後編!イバケンコンビにとって、キャンプといえばランニングとともに印象に残っているのがノック!鉄壁な守備を誇った落合監督時代の練習、それはかなりのハードだったようで…。
策士・荒木雅博
川上『キャンプって走るけど、ノックとかはどう?』
井端『落合監督の時、最初の頃はノックの時間、短かったね。バッティング練習が終わってから日没まで1時間しかできなくて。そうしたら落合監督が“お前ら、これじゃあ物足りないだろ?”みたいな感じになって、走塁練習などすっ飛ばして、バッティングが終わったら、すぐGO!に変更』
その結果、ぎゅっと練習スケジュールは凝縮され、ノックが待っているサブグラウンド入りの時間はなんと14時!そこから日没まで延々とノックの嵐が吹き荒れたそうだ。
川上『やっぱりそれで上手くなる?』
井端『……。いや、上手く…それ言ったらあれだけどさ。上手くなったでしょ!(笑)』
いまや伝説として語られる井端、荒木の二遊間コンビ、通称アライバコンビは北谷キャンプで徹底的にしごかれ、完成された唯一無二の銘品。ただノックを受ける際には色々と駆け引きがあったようだ。
井端『サブグラウンドに行くと、既に落合監督と高代コーチが待っているわけよ。途中で気づいたんだけど、オレの方がいつも荒木よりバッティング練習が5分くらい早く終わるんだよね。そうすると自然に監督がオレに向かって、ノックを打つの。監督は二人には打たないから。だから大抵、監督にはオレ、高代さんは荒木になって用意スタートとなるわけ』
んー。
これはたぶん故意的に狙ってる!
ちゃっかりしてるわぁー!荒木さん(笑)
井端『ノック受けながらも、チラチラ見るの。監督の打球は微妙に遅くて、左右に振る。反対に高代さんはタンタンタンと打球が速いわけ。実はその方が捕り手もラクなんだよ。こっちは監督相手だから手が抜けないじゃない?ちょっとでも休もうなら、“なんだお前、もうバテたんか?”ってすぐ言われるから、頑張るわけ。たまに荒木を見ると、逆にスタート切ったフリして休んでるのよ』
ちゃっかり荒木パート2!(笑)
荒木雅博、策士なり!
川上『それ分かるわぁー!その動き!(笑)』
井端『アイツ、上手いんだわ!』
川上『やった人しか分からないよね!そこで許してくれるコーチと許してくれないコーチがいるよね?逆つかれたら、“ハイ!もう2本追加!”みたいな』
井端『なんとか監督ノックを荒木にと思って、1時間くらい受けた時に“ゲッツーお願いします!”とか言うの。ローテーションを変えようと試みたけど、監督とのペアはなぜか変わらなかったね。考えてみれば監督ノックの割合はオレが3、4回で荒木が1回くらいだったよ』
なんだか落合監督らしい、思惑あってのイバ専だったような気が。井端さんにとって、徹底的にしごかれたノックがゴールデングラブを7度受賞した礎になったわけだ。
連射式星野鬼ノックに憲伸撃沈!
川上『実をいうとオレもね1年目か2年目に星野監督のノックを受けたことがあって、2人組でね。それが死ぬかと思うくらいのノック!』
井端『それ記憶あるっ!』
星野監督による“鬼ノック”の特徴は、調子が出てくると自分でボールを持たずに、補助でついている人からトスされたボールを間髪入れずに連射すること。捕り手に全く休憩を与えない、それは考えただけでもゾっとするシロモノだ!
井端『野口(茂樹)さんとやっていたでしょ?』
川上『これな、野口さんがいかんのやけど、あの人まあまあ体力あるのよ。もっとゆっくり捕ってくれればいいんだけど、パンパン捕るから、まったく休めない!こっちはヒザに手をついて休んでるのに、すぐ捕りにいかなアカン!』
ハイ!恒例のディスり入りました!野口さん、堪忍です。
川上『オレがノックについていくから、監督もどんどん調子に乗ってくるわけ。もうイジメに入ってくる感じでさぁ。こっちはもう、自分の足をひっぱりながら走ってるって感じで。だんだん足がついてこないのよ、ホント。あのノックでごっつい球際に強くなったね!』
井端『ピッチャーは球際ってあまり関係ないけどね(苦笑)』
通称地雷ノック!
ノック話はまだまだ続き、話の舞台は二軍キャンプ地の読谷へ。
川上『あのな、読谷のサブグラウンド知らんやろ?』
井端『知ってる、知ってる』
川上『あそこのサブ、ひどくってさ。ピッチャーノックとかするんだけど、これがまあ、ひどい。10回打って1回ぐらいしか想像通りバウンドしない。それ以外はすべて怪しい動きをして。我々の中では“地雷ノック”と言われとった!(笑)』
井端『ガハハ!』
川上『どこにイレギュラーが仕込まれているのか分からん。ノッカーが“よし!これ捕ったら昼飯なぁー!”と言ってやっとんやけど、いつまでたっても終わらん(苦笑)。10人1組でやって、10本一気に捕れば終了なんだけど、号令がかかってから、1時間半ぐらいやり続けるの。もう永遠に終わらんと思うほど。絶対イレギュラーするから!(笑)。あのイレギュラーは、絶対イレギュラーしないナゴヤドームにはまったく通用せんかったね!』
井端『そりゃそうでしょ!(笑)』
ということは、読谷で汗を流した根尾、石川昂らはさぞかし球際に強くなったはず!
あっ!ピッチャーじゃないから、サブでノック受けてないか!(笑)
(竹内茂喜)