ドラゴンズ・与田監督はトレード画策中!? 戦力補強、さらには根尾選手の起用法について意味深予告を
【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム
今週のサンドラは、与田剛新監督がナゴヤ球場からの中継で番組生出演。テレビに映る与田監督を観ていつも不思議に思うのは、なぜだか笑顔になっている自分がいること。温和な笑顔に誘われているのもそうですが、きっとあの抑揚をつけた語り口に秘訣があるのではないでしょうか。そこで思い出されるのは星野仙一元監督。ファンならずとも聴く者を惹きつける魅力は与田監督にも通じる部分があります。正直、筆者はすでに虜です!(笑)
就任から1カ月が経った与田監督に司会の若狭アナウンサーが尋ねたのは“来季の構想”について。先々週の放送で阿波野コーチが投手陣の再建構想を明かしていた“(先発の)表ローテ3枚”や“ダブルストッパー”、“先発とリリーフの新たな人選”を問われた与田監督でしたが、十八番のキラースマイルを駆使して「まだ決まっていません」と回答をスルー。ただ、このやりとりは至極当然のことです。秋季キャンプを終えようとしているこの段階で決める必要などありません。オフの自主トレと春季キャンプを経て、選手はさらなる成長を遂げます。来季のルーキーが加わるのも1月の合同自主トレから。選手の競争意識を高めて、じっくり見極めてほしいところです。
とはいうものの、与田監督が重要なことを何ひとつ語っていないかといえば、そうではありません! 非常に興味深い発言が2つ。1つ目は、竜の宝・根尾昂選手の開幕スタメンについてです。
「ショート・根尾」は決定事項ではない!?
「根尾選手の開幕スタメンの可能性?いやぁ、まだ分かりませんね。ショート1本といっても、ショートのポジションに決まっているわけではないので。まずは根尾の希望を聞いたうえで判断をして、もしかしたらもっと素晴らしい適正のポジションがあるかもしれませんから。じっくり見ていきたいと思います。京田も根尾もショート以外のポジションになる可能性?もちろんありますね」
仮契約を交わした後の記者会見で根尾選手が「ショート1本」を公言したことにより、「ショート・根尾」が決定事項になっていた風潮に与田監督が“待った”をかけたのです。先週、在阪テレビ局で放送された番組内で落合博満前監督が「俺ならセンター守らせる」といった発言が注目されるなど、以前から根尾選手の常人を超える才能によって起用法における意見の多様性を生んできました。
与田監督の真意としては、根尾選手の才能を見誤らないことと同じくらい、チーム内の競争における公平性をアピールしたためだと思います。やっぱり京田選手としては戦う前から優劣を決められるのは面白いはずがありません。ただ、次の発言は根尾選手の起用法についてより一層想像が掻き立てられるものでした。
「根尾の打順?俺よりも先にみんなすごいことを考えてるね(笑)。打順もそうですが、いろいろな可能性を秘めた選手だと思う。開幕スタメンにおいても、それだけの力を認めて入団してもらうので。面白いことが起きるのかもしれません」
“いろいろな可能性”、“面白いこと”―。ショートやセカンドの想定を超えてセンターか―。それとも、ウルトラ級のサプライズでキャッチャーか―。さらなる驚きがあるとすれば、やはり二刀流の実現・・・。新首脳陣の判断に注目ですが、筆者個人的な意見は早期決断を願います。一日も早く根尾選手に集中できる環境づくりをと思うわけです。
2つ目の興味深い発言は、新戦力の補強に関して。少ない言葉数が、その意味の深さを表しているようでした。
FA、新外国人、トレード。新たな戦力補強については、「お楽しみに」-
「じっくり見ていてください。お楽しみに(笑)」
FAに関しては、数日前に「できることと、できないことがある」と撤退を匂わす発言をされていたので消しましょう。新外国人に関してはジーをのぞいた7人と契約延長がまとまりそうと一部で報道が出ていたので、この線も消えます。となると、残りはトレード。現時点で何も事が進んでいないのであれば、「お楽しみに」などと期待を抱かせるはずがありません。それも、あのキラースマイルを惜しみもなく見せながら・・・。
スタジオ解説だった山田久志さんも「なにかとんでもないことが起きるのも球界のアレ(ドラマ)ですから。言えないの! 首脳陣は言えない」と、球界の重鎮のひとりであられるお方だからこそ何かを勘づかれたご様子。このオフはドラゴンズファンを喜ばせるビッグニュースを届けてくれそうです!
正捕手争いも横一線を強調する指揮官からドラフト4位石橋選手へ。「遠慮なくアピールして」―
また、この日はドラフト4位指名の石橋康太選手がスタジオゲストとして出演。「今は甲斐選手(ホークス)が日本を代表するすごいキャッチャーですが、10年後には自分が日本を引っ張っていけるように頑張りたいと思います」と目標はどでかく日本を代表する捕手。頼もしい抱負を語った将来有望の若手に、与田監督は熱いメッセージで刺激を与えていました。
「(正捕手の条件として)ピッチャーの良さを引き出すことは求めるところです。ベンチ入りは2人から3人になると思いますが、とにかく横一線! 競争が激しくなると思うので、1年目の石橋クンも遠慮なくアピールしてほしいと思います」
与田監督の言葉を受けた石橋選手が「高校生らしく元気を出してアピールしていきたいと思います!」と瞳を輝かせながら高揚している表情がじつに印象的でした。秋季キャンプが活気に溢れているのも、きっと与田監督が随所で刺激的な言葉を巧みに操り選手を鼓舞していたに違いありません。
与田監督の意味深発言に翻弄された今週のサンドラ生出演。筆者はますますその魅力から抜けられなくなりそうです!!(笑)
ドラゴンズライター高橋健二