「絶対的存在のエースを作る!」-。ドラゴンズ・阿波野コーチが明かした投手王国再建構想

「絶対的存在のエースを作る!」-。ドラゴンズ・阿波野コーチが明かした投手王国再建構想

【あるドラライターの参考書的サンドラ活用法】
CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日午後12時54分から東海エリアで生放送)をみたコラム

まだまだ東海地方は根尾昂選手を引き当てたドラフトの興奮と喜びが冷めやらぬなか、ナゴヤ球場と沖縄・北谷球場の2カ所でドラゴンズの秋季キャンプがスタート。1日には新任コーチも合流して本格的に始動した新生・与田ドラゴンズにおいて、個人的に最も注目している人物は阿波野秀幸1軍投手コーチです。今季のチーム防御率4.36はリーグワーストを記録。投手部門のチーフコーチとして年々悪化の一途を辿っている投手陣をいかにして立て直すのか―。早速、今週のサンドラで再建に向けた構想の一部が明かされました。

「先発は表ローテ3人を8人で補う陣容に。エースは優勝争いに必要不可欠」-

「この時期にコーチを託されることに意味がある。何かを変えていって結果を残したいという気持ちはすごく強いので。『このピッチャーをなんとかしたいんだ』という思いが、ファンの人達にも伝わるような育成をしたい」

これほど頼もしい所信表明はありません! 現役時代はルーキーイヤーに15勝を挙げて新人王に輝き、4年連続2ケタ勝利でバファローズのエース左腕に。ベイスターズに移籍した1998年には中継ぎとして自己最多の50試合登板を果たしベイスターズの日本一に貢献。先発、リリーフともに実績のある阿波野コーチが投手王国再建に向けて、まず始めに語ったのは先発陣。その意図には与田監督が掲げる目標を明確に反映したものでした。

「(先発投手について)まずは、表ローテの3人を意識する。後は補う8人くらいの体制を作ってシーズンを乗り切りたい。きょうはこのピッチャーに任せるというエースを作らないと、Aクラス、さらには優勝争いをするのは難しくなる」

2018年のシーズンにおいて2ケタ勝利を挙げたのはガルシア投手ただひとり。昨年と一昨年においては1人もいなかったことからも、残念ながらドラゴンズにはエース不在と言わざるをえません。優勝を目指すためには絶対的な先発の柱が必要不可欠と考える阿波野コーチがエースに仕立てる逸材は誰なのか―。秋季キャンプから注目です!

「“勝利の方程式”の確立。クローザーは2人体制も見据えて」-

先発陣以上に整備が急務となっているリリーフ陣についても、その重要性を自覚されています。

「この(リリーフ)ピッチャーが相手にとって、どれくらい嫌なのか。そういった部分も含めて人選していく。7回以降に『これで勝てる』というリリーフ陣を作るのも、先発投手と同様に私の大事な仕事だと思っています」

そして、今季は幾度も勝利を目前にしながら、まさかの敗戦を目の当たりにする原因となったクローザー問題。この難題を解決するための構想は何より期待感を抱かせるものでした。

「開幕から最後まで1人の選手にクローザーを任せるのは難しいかもしれないので、たとえばダブル(2人)のクローザーでいくというのも1つの方法です」

クローザーの2人体制は起用する投手コーチに責任が重く圧し掛かります。選択肢が2つある状況で失敗をしたとき、選んだ投手コーチに責任が問われることになるからです。誰か1人に指名して責任を選手に負わせるのではなく、起用する側の手腕が試される2人体制の構想を明かした事実に指導者としての度量の大きさを感じさせるのです。来季は阿波野投手コーチをはじめとした首脳陣がしっかりと選手の状態を見極め、ベンチワークで勝利に導く。その中で新たな竜の守護神を生み出してくれることでしょう!

立浪氏が奮起を期待するのは、今季未勝利に終わった“未完のエース左腕”

阿波野コーチの投手陣再建案にあった「表ローテの3人」について、スタジオ解説の立浪和義さんが名前を挙げたのは今季6勝を挙げた笠原祥太郎投手と同5勝の小笠原慎之介投手。加えて期待を寄せたのは7年ぶりに未勝利に終わった大野雄大投手です。

「忘れてもらっては困りますよね。もう一回なんとか頑張ってもらわないと! やっぱり力はあるピッチャーですから。ガルシア投手も含めた左(投手)4枚が重要になってきます」

立浪さんの力強いエールと同じく、多くのドラゴンズファンも大野雄投手に来季の巻き返しを期待していることでしょう。今季、大野雄投手はひとり親家庭の親子をナゴヤドームに招待する企画を実施していました。これぞ夢や感動を与えるプロ野球選手の鑑です。来季は大野雄投手自身のピッチングで、招待したファンの方々を含めたドラゴンズファンを喜ばせてくれることを信じています!

ドラゴンズライター高橋健二

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