“エースが勝てばチームは動き出す”吉見激白!ドラゴンズ復調のカギは大野雄大が握る!
【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)
4月から梅雨入りしたドラ打線
早くも今年、梅雨入りした東海地方。平年より21日早く、統計史上2番目の早さという。我らのドラゴンズといえば、4月から梅雨入りした打線(!?)にストレスが溜まる日々が続いています。5/16終了時点で首位タイガースと離れること11.5ゲーム差。10年ぶりの覇権奪回に黄色信号どころか赤信号が点灯してもおかしくない状況なのである。
ただ、まだまだあきらめるには早過ぎるデータが残っているようで、40試合終了時点の成績は14勝21敗5分の5位。しかし3位となった昨年の同じ時点はどうだったかと調べてみると、なんと15勝22敗3分の6位!そんな低次元の話をしても仕方ないだろっ!と怒られるかもしれません。しかしこれを知れば、多少怒りが収まるかもしれない前例を紹介しよう。
それは現在の成績がある年と共通点が多いということ。現在、リーグ6位のチーム打率、同じくリーグ6位の得点圏打率、そして投手部門に目を向けるとリーグ2位のチーム防御率である、まさに投高打低のチーム状態。それが10年前、優勝を果たした年とまるで似ているのだ。
ゲストコメンテーターの吉見一起さんは当時の思い出をこう語る。
吉見『この年、ローテーションを守っていたんですけど、“打てないな、そんなに点が取れないな”というイメージはなかったんですよね。ただヒットを打てなくても、点を取れる時には必ずしっかり点を取っていました。この時と同じように泥臭い野球をしていって欲しいなと思います』
当時は無死満塁でゲッツーを放ったとしても、確実に1点をモノにし、その1点を強力投手陣が守り切る、そんな玄人好みの野球を展開し、勝利をモノにしていた。打者であれば点を取る為に、投手であれば点を取られない為に、ひとりひとりがしっかりと役割をこなしていたからこそ、常勝チームが形成されたわけだ。今の選手たちにも、10年前のチーム同様、多くの準備と勝つための意識を持ち合わせ、試合に臨んでもらいたいと切に願います!
さて今週のサンドラは40試合終了までの好投シーンを“伝説の精密機械”吉見一起がもう一度見たいピッチングを厳選!
題して、“NICE PITCHING イッキ見”
負けない投球を体現した柳
まず吉見さんが挙げたのは、4月17日、バンテリンドームでのカープ戦で8回奪三振14、無失点の好投を見せ、今季初勝利を飾った柳裕也投手のピッチング!
吉見『三振を14個取れているのもありますが、0点で抑えていることが一番の理由。負けないことを体現してくれました。開幕してから一気によくなりましたね!』
不振だったオープン戦の時はいったいどうなってしまうのかと心配しましたが、きっちり調整してくれましたね!さすが右のエース!吉見さん推奨の短距離ダッシュが功を奏したのかも!?
続いては4月20日、横浜スタジアムでのベイスターズ戦で勝ち星は取れなかったものの、8回被安打3、無四球、無失点という見事なピッチングを披露した大野雄大投手!
吉見『投げる度に良くなっているなと感じていて、また屋外で投げるのも久しぶりだったはず。大野好調時のバロメーターともいえるストレートがよく走っていました』
勝野、目指せ見下ろすピッチングを!
4月21日、同じく横浜スタジアムでのベイスターズ戦で2勝目を挙げた勝野昌慶投手のピッチングを吉見さんはピックアップ!6回までノーヒットの快投を見せ、7回を被安打2、失点1で抑えた。
吉見『勝野投手は顔に出やすいタイプ。やられる時は不安そうな顔をするのが、この日は見下ろすような顔つきで投げていましたね』
実績を積み重ね、毎回見下ろすピッチングができるようになっていく勝野投手の成長を見ていきたいですね!
リリーフ陣からは橋本侑樹投手を挙げた吉見さん!5月5日、バンテリンドームでの対ベイスターズ戦で記録した開幕から9試合無失点ピッチングが光る!
吉見『目立たないところで投げていますが、まず点を取られていないということ。昨年一年経験し、フォームを変えたりとか、自分なりに考えながら投げていますね』
好不調の波が激しい今季の福投手に代わる、左のセットアッパーとして活躍が期待される橋本投手。今後は厳しい展開でのマウンドも要求されていくはず。持味である強気のピッチングで多くの火消しを期待したい!
ライマルの代わりは又吉しかいない!
そして今季、安定したピッチングで何度もピンチを救っている又吉克樹投手!吉見さんは14試合連続無失点を記録した5月8日、バンテリンドームでの対カープ戦を挙げた。
吉見『彼って打たれても抑えても淡々と投げますよね。これってバッターにとってすごく恐怖に感じます。結果も出ていますし、すごく評価しています』
またライデル・マルティネスが五輪期間中抜ける穴埋めに又吉起用を提言!キレのあるストレートと安定感あふれるピッチングに、又吉投手しかいないと言い切っても過言ではないでしょう。
そして再び柳投手を選出!一週間前となる5月7日、バンテリンドームでの対カープ戦。3勝目を挙げたこの日は8回被安打2、奪三振11、与四球1、無失点と、文句ひとつないピッチングを見せました!
吉見『どの球種でも勝負球になったほど、まったく打たれる気がしませんでしたね』
エースが勝てばチームは動き出す
そしてここまでのベストワンのピッチングと評価したピッチングには、4月27日、バンテリンドームで行われた対タイガース戦。大野雄大投手、今季初勝利を挙げた投球をチョイス!
吉見『エースがようやく初勝利を挙げたこと。これに尽きます』
“エースが勝つとチームが動き出す”
かつて常勝ドラゴンズを指揮した落合博満監督が2010年のシーズン中、吉見さんに残した言葉である。
吉見『当時、ボクも開幕から二試合ほど勝てず、ようやく三試合目で苦労しながらようやく勝利を手にしました。落合監督は“これでチームが動き出すな”と言われました』
それ以降、吉見さんは勝利を積み重ね、チームも優勝と最高のシーズンをモノにした。だからこそ、現在ファームで調整中の大野雄大投手には一日も早く一軍復帰を果たし、低迷するチームを上へ上へと動かす活躍を期待したい!
そんな大野投手、気になる現状はいかに?
上肢コンディション不良で登録抹消中だが、すでに練習を再開!キャッチボールも50メートルほどの距離を投げることもでき、順調に回復しているとのこと。早ければ21日のジャイアンツ戦先発復帰を目指し、調整を進めているそうだ。今のチーム状態は決して良いとは言えないが、再発が一番怖いだけにここはしっかり治し、万全の準備が出来次第、一軍のマウンドへ戻ってきてもらいたいですね!
待たれる一、二軍選手入れ替え
頑張る投手陣とは反対に、なかなか調子が上がってこない打撃陣。固定を続ける一軍登録選手にファンから疑問の声が上がる中、吉見さんも二軍から好調選手を入れ替えてみてはどうかと提言。一軍へ呼びたい選手として、溝脇隼人内野手を推奨した!
吉見『ファームでも4割以上打っている好調ぶり。調子が良い時に上げ、是非とも使って欲しい。また阿部選手の尻に火をつける意味でも。相乗効果が得られるはずです』
また吉見さんが考えるベストオーダーも披露!先ほど挙げた溝脇選手と岡林勇希外野手とのフレッシュ一、二番コンビがなんとも印象的!打てなくてストレスが溜まりに溜まりまくっているドラゴンズファンのこと、これくらいの荒療治を待ち望んでいるはずだ。
また低迷するチームを一変させるためには、スワローズ村上選手のように人一倍声を出し、時には荒げ、選手を鼓舞する。そしてバットでもチームを引っ張る元気者が現れることを待ちたいものだ。チームの雰囲気を変える男こそ、今ドラゴンズには一番必要な戦力なのである。もし存在しないのであれば出血覚悟でトレードも必要となろう。コロナ禍だから何も手を打たずというのはまさに敗退行為。まだまだあきらめてはいませんぜ!私たちは強いドラゴンズが見たい!ただただそれを願うだけだ!
がんばれドラゴンズ!燃えよドラゴンズ!
竹内 茂喜