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「命ある限り、次の世代に」90超えてもなお‥最後の語り部 戦後76年 ドキュメンタリー

「“こんなところで死ぬのは嫌だー!”って。あの声は何年経っても頭から消えない」

豊川市に住む伊藤等さん90歳。
無数に降り注いだ爆弾の雨の中を生き延びた一人です。

遙か眼下の街に ぽつぽつと浮かび上がる閃光。
その下で多くの命が失われました。

76年前の8月7日、アメリカの爆撃機から撮影された豊川空襲の様子です。

標的は、東洋一の兵器工場と言われた 「豊川海軍工廠」。
B29、124機が 3256発の爆弾を投下し2500人以上が亡くなりました。

その中には戦争末期に学徒動員で駆り出された
大勢の中学生や高校生も含まれています。

当時伊藤さんは14歳。
その日は上官に命じられ銃や弾丸の検品をしていました。

「トイレに入っていたら工場が吹っ飛んだ」

奇跡的に助かった伊藤さんはその地獄のような光景を絵に書いてもらい
豊川市の語り部として戦争の悲惨さを伝える活動をしています。

「一刻の猶予もならないと思って自分だけが生きた。罪滅ぼしとして語り部に」

戦後70年以上が経ち、以前は20人近くいた語り部も、今は伊藤さんが最後の一人。

しかしここ数年は神経の難病でめまいや足のふらつきに悩まされています。

“命ある限り次の世代に伝えていきたい”
最後の語り部を取材しました。

2021年8月12日放送 CBCテレビ「チャント!」

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