一度食べたらやみつき必至!?名古屋が誇る「麺屋はなび」の台湾まぜそば誕生秘話
丼のど真ん中に卵の黄身、その周りを囲むように台湾ミンチや刻んだニラ、ニンニク、ネギ、魚粉、刻み海苔。その具材を支えるかのように下に鎮座するもちもち太麺。今や名古屋が誇るやみつき必至の「台湾まぜそば」。
一度食べたら忘れられないその味わいを生んだのは新山直人氏が始めたラーメン店「麺屋はなび」。今や海外にまで店舗を拡大するほど根強い人気を誇る麺屋はなびの台湾まぜそばですが、今回はその誕生秘話と知られざるこだわり情報をお届けします。
失敗作から生まれた新・名古屋名物「台湾まぜそば」
ビシッと辛くパンチのある味わいと、もちっとした太麺がやみつきになる台湾まぜそば。その生みの親である「麺屋はなび」は、自宅で楽しめるようにスーパーで販売されるだけでなく、今や日本を飛び出し海外まで展開しています。しかし麺屋はなびと名物である台湾まぜそばの誕生までには様々な紆余曲折がありました。
麺屋はなび1号店となる高畑店の開業は2008年。複数の中華料理店での修業を経た新山直人氏のラーメン屋としての第一歩です。当初は塩と醤油の2種類のラーメンのみを提供していたところ、某TV番組にて一躍有名店に。もっとお店を繁盛させたい、その想いから新作の台湾ラーメンの試行錯誤をしている中で、台湾ミンチ作りに失敗。台湾ミンチがスープと合わないことから廃棄することに。
しかし当時のアルバイトがまかないとして食べたいと、その台湾ミンチと茹で上げたばかりのラーメンの麺を合わせて食べたところ、これが意外にも美味しいことを発見。ここから新山直人氏の台湾まぜそば誕生への「化学実験」が始まり、なんと3年の年月を経て今の台湾まぜそばが生まれたのです。
うどんを意識したコシのあるもちもち麺。まぜそばならではの調理の秘密
台湾まぜそばといえばビシッと辛みのある台湾ミンチと、そしてもちもちとして噛みごたえのある太い麺。タレの味にも負けない、そしてタレとよく絡むこの太麺にも台湾まぜそばをより美味しく楽しむための秘密があります。
1.全粒粉麺
麺屋はなびの台湾まぜそばの麺は、小麦の殻まで混ぜ込んだ加水率の高い全粒粉麺を使用することで、しっかりした味付けに負けない存在感が生まれます。コシがあり、そして噛めばプルンとした食感と小麦の香りが口の中に弾けるようになっているのですね。
2.通常のまぜそばよりも茹で時間が長い。
台湾まぜそばに使用する麺は、通常のまぜそばよりも茹で時間が長い。茹で時間を長くすることで麺の表面が柔らかくなり、それをテボ(麺を茹でるときに使用する網)に擦り付けることで麺の表面に傷がつき糊が生まれます。この糊がタレと絡み、そして味をまろやかにする役割を担っているのです。
この一手間はさらなる「美味しい」のためにも存在しています。台湾まぜそばを食べ終わったら、残った具材とタレを余すことなく楽しむためにあるメニューが「追い飯(おいめし)」。ご飯そのものの食感を残したまま、丼の隅々まで美味しくいただけるようになっているのです。お腹に余裕がある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
TikToker顔負け!新山直人氏は脅威のTikTokフォロワー数100万人超え!
麺屋はなびにとどまらず、二郎系ラーメン店や町中華、鮨店、ポークステーキ店など多数の飲食店プロデュースをする麺屋はなび総大将の新山直人氏。彼のTikTokフォロワー数は2023年9月現在、なんと100万人を超えています。
料理人として、経営者として異例のフォロワー数を誇る同氏の投稿は、趣味の釣りやギター以外にも同氏がプロデュースする町中華「今池飯店」で実際に厨房に立ち、チャーハンを調理する動画が人気。数人前のチャーハンを大きな中華鍋で調理する姿は、豪快でありながらも調理場をほとんど汚すことのない華麗な鍋さばきがなんとも美しく、そして美味しそう。また多くの飲食店を経営しながらも実際に厨房に立つ姿は見るものの共感を生み、今池飯店は連日行列ができるほどの人気店となっています。
若者を取り込む名古屋めしの雄
新山直人氏のこだわりも然りですが、麺屋はなびに限らず多くのお店で台湾まぜそばが販売されているのは、まさしく「人々が求めていた味」だからこそ。どこまでも美味しい1杯を追及し続けた麺屋はなびの台湾まぜそばは、麺ひとつとっても妥協することなく、これからも多くの人たちを魅了していくことでしょう。
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ライター名
KENTA
#名古屋めしデララバ