“マンボウ泳ぐ水族館”閉館へ 上皇ご夫妻も訪問
優雅に泳ぐマンボウに出会える水族館として親しまれ、三重県志摩市の水族館『志摩マリンランド』が来月末に閉館します。
マンボウは、成長すると全長3m以上にもなる大きな魚。
泳ぎ回る姿は多くの人を夢中にさせます。
時に、海女さんが素潜りで餌付けを実演。人気の展示でした。
ペンギンと旅をする企画も
また、ペンギンが来場者の目の前に登場。触れ合いが売りだった水族館。
近鉄電車の「ペンギン列車ツアー」で、お客さんと旅したこともありました。
4代目館長と思い出語り「毎年恒例の…」
4代目館長の里中知之さん。
営業は来月31日付で休止となりますが、事実上の閉館。気になるのは生き物たちの行方です。
Q,生き物はどこへ行くのか
「他の水族館とかそういった施設にもらって頂くことになります」(志摩マリンランド 里中知之 館長)
里中館長にとっても、そして取材を続けていたカメラマンにも思い出がありました。
カメラマン「“干支の魚たち展”を毎年取材させてもらっていたんですけど…」
里中館長「毎年恒例でやっていましたけど、生き物を集めるのには苦労した思い出がありますね」
干支にちなんだ新春特別展は毎年のように放送した恒例のニュースでした。
上皇さまが訪れたことも…半世紀の歴史
「志摩マリンランド」の開業は1970年。
ピーク時には年間約40万人が訪れましたが、近年は15万人程度にとどまっていたといいます。
2001年には、現在の上皇ご夫妻が訪問され、長年ハゼの研究をしていた上皇さまは、開催されていた「ハゼの企画展」を熱心にご覧になっていました。
「予定を越えて長い時間にわたってご観覧頂きました。途中、温かいお言葉をかけて頂いて、非常に感謝といいますか、そういった気持ちでいっぱいです」(里中 館長)
惜しむ声は続々 しかし「維持管理は困難」
施設の老朽化が著しく、維持管理が困難になったというのが一番の理由で、閉館が決定。
また、新型コロナウイルスの影響で臨時休業も余儀なくされ、2020年度の来場者は約10万4000人の見込みです。
訪れた人は…
「寂しいですね」
「閉館と聞いたので来ました。残念です。いつでも見に来られると思っていたので」
「父がここの配管を担当していて、小さい時から遊びに来ていた。閉まると聞いて、涙が出るぐらいです」
閉館を惜しむ声は地元・志摩市のあちこちから聞こえてきます。
「これから先の大事な観光コンテンツであったと思いますが、やはりこの閉館を決められたのは残念でなりません」(志摩市 橋爪政吉 市長)
「突然だったものですから、驚きで声が出なかったですね」(志摩市観光協会 西尾新 会長)
さらに、お隣・伊勢市にある水族館「伊勢シーパラダイス」からも…
「非常に驚きました。生き物の引き取りについては、こちらとしてもできる限り協力しますと伝えました」(伊勢シーパラダイス 田村龍太 館長)
「長い間、51年にわたり営業させて頂きましたので、改めて多くの方に感謝申し上げたいと思います」(志摩マリンランド 里中知之 館長)
閉館まで1か月あまり。その日が来るまで、通常営業は続きます。
(2021年2月11日 15:49~放送『チャント!』より)