5年ぶりの新味「のり塩味」登場!国民的お菓子『うまい棒』を徹底調査…人気TOP3はどんな味?
子どもから大人まで、全ての世代に愛される国民的お菓子『うまい棒』。
現在は15種類の味(プレミアム・地域限定は除く)で展開され、年間の売上本数は約7億本。1979年の発売から40年以上変わらないのが10円での販売です。
そして7月、5年ぶりの新しい味“のり塩味”が満を持して登場。その背景には一体何があるのか、調べました。
5年ぶりの新味登場…一体なぜ
やって来たのは、名古屋市西区の菓子問屋・たつや。昭和23年創業の老舗です。二代目店主の近藤さん(79)は、発売された時から40年余り、ずっと店に並べてきたそうです。
菓子問屋たつや 近藤さん:
「最初に出した時から売っていますので、全部で50種類くらいあったんじゃないかな」
そんな中、7月に満を持して登場した“のり塩味”。なぜ5年ぶりの新味誕生なのでしょうか。うまい棒の製造元・やおきん営業企画部の田中さんに伺いました。
やおきん 田中さん:
「(Q.なぜこのタイミングで?)5年間で全く何の味も出ていなかったわけではなくて、その間は季節限定や地域限定の挑戦的な味も出していました。この機にいいものができたので、今年のり塩味を発売しました」
実は1979年の発売以来、登場した味は約60種類。そのうち現在のラインナップが、サラミ味や牛タン塩味など15種類。この5年間では、のり塩味以外にも年に1種類以上は新しい味が開発されてきたそうですが、すぐに販売終了となっているようです。その理由は…。
やおきん 田中さん:
「種類が増えると、工場の方で生産の効率も悪くなってしまうので、新しい味が出る時には入れ替えのような形を行っています」
販売は常に15種類前後に調整していて、他の味とのバランスや売り上げなどを分析して入れ替えをしているそうです。一方、定番として販売されている味にもこんな変化が…。
やおきん 田中さん:
「最初に出したソース味は、今はバージョンが変わってとんかつソース味になっています」
例えば、1979年の発売時に登場したソース味は、今では味を改良した“とんかつソース味”に進化。同じ味でもその時代に好まれる工夫があるようです。
うまい棒人気TOP3はどんな味?
では40年で60種類もの味が登場したという『うまい棒』の中での“人気度”はいかに?
人気ランキング第3位は、1982年登場以来、人気抜群の“めんたい味”。当時のやおきん社員が、九州出張で明太子を食べたことがきっかけで誕生したそうですが…。
やおきん 田中さん:
「こちらは明太子ではなく“めんたい味”で、原材料は明太子でなくタラのパウダーを使っています。以前、明太子を使ったら独特の臭みが出てしまったためです」
うまい棒の“めんたい味”は、風味付けに明太子の親である“タラ”のパウダーを使用しています。また、色味や辛味にはパプリカパウダー等の香辛料を使用しているとのことです。
続いて人気ランキング第2位は、1980年に登場した“チーズ味”。発売当初は、味付けの仕上げに表面に粉チーズをまぶしていましたが…。
やおきん 田中さん:
「当初からある味ですがその間マイナーチェンジや味の調整などを行っています。複数のチーズを混ぜて使っているので、すごくチーズの風味は感じられます」
現在は生地段階で粉チーズを複数練りこみ、濃厚な味と香りを実現させているのです。
そして堂々の人気ランキング第1位は“コーンポタージュ味”。1992年の発売以来、老若男女の支持を得て、不動の1位です。そこには当然ともいえる理由が…。
やおきん 田中さん:
「うまい棒は原材料がコーンですので、最初から最後までまるまるコーンポタージュです」
まさに組み合わせの妙。その甘みと塩気が絶妙なバランスだと自他ともに認めるうまい棒なのです。
パッケージのあのキャラクターは一体誰?
40年以上のロングセラー・うまい棒。味はもちろんですが、人気に火がついたのにはこんな理由も…。
田中さん:
「原材料のコーンはしけりやすいんですが、発売当初は10円のお菓子を1本1本包装するなんてありえないと言われていましたね」
今では当たり前の個別包装。販売が始まった1970年代の駄菓子は、量り売りや裸売りがまだまだありました。
しかし、うまい棒はフィルムによる個別包装を行い、保存期間が延びたことで工場から全国配送が可能に。子どもが外出先でも気軽に食べられる駄菓子として評判を呼んだのです。
菓子問屋たつや 近藤さん:
「最初に売り出した時は真っ白な包装で、売れるようになったら外のパッケージが段々変わってきました」
さらに、味ごとにパッケージのデザインを変えたことが斬新で、商品自体が広告塔となって注目を集めました。
しかし、気になるのは描かれているキャラクター、どうしてもあの国民的アニメキャラクターを彷彿とさせますが…。
Q.あのキャラクターに似てますが?
やおきん 田中さん:
「う~ん…どうなんでしょうねぇ…」
ちなみに、国民的アニメのテレビ放送が始まったのは1979年。うまい棒の販売開始も偶然にも1979年…。これは単なる偶然なんでしょうか。
やおきん 田中さん:
「名前は“うまえもん”です」
さらに、うまえもんには衝撃の事実も…。
田中さん:
「うまえもんの妹のキャラクターも登場しています」
3年前、突如妹が出来たのです。兄と妹、似ても似つかぬその姿!販売促進のためYouTubeなどでも活躍しているそうで、名前は“うまみちゃん”です。
今回の調査の結果、うまい棒は時代とともに、味だけでなく私たちの想像を超える進化を“うまい”こと続けていました!