“お年寄りカワイイ!大好きで助けたい”…イマドキ高校生が学ぶ介護福祉 パンサー向井「イメージ変わった」
愛知県弥富市にある県立海翔高校。もともとは海南高校でしたが、2005年に蟹江高校と統合。今年で創立15年を迎えます。
今回は、介護のスペシャリストを育てている福祉科2年生のクラスに、お笑いトリオ・パンサーの向井慧さんが“向かい”ました。
パンサー向井さん:
「このクラスの奥野さんからメールをいただきまして、(起立した奥野さんに対して…)『福祉をもっと知ってほしい』という思いで連絡をくれたんだよね」
奥野さん:
「はい、福祉科って、おじいちゃんやおばあちゃんのお世話というイメージが強いと思うんですけど、ほかにも小さい子や障害者も対象としていて、イメージを変えたいんです」
初めに、クラスの生徒達に「福祉科」を選んだきっかけについて聞いてみると…?
秋本さん:
「少子高齢化が進み、社会に少しでも貢献したいと思いました。中学生くらいからです」
山田さん:
「お年寄りが好きで、カワイイなっていう気持ちが強くて。メッチャ好きで助けたいんです」
馬見塚さん:
「将来、介護福祉士になりたいと思っています。祖母が倒れた時に自分が何もできなくて、そういう手助けができるようになりたいと思ったからです」
海翔高校福祉科では、3年間勉強することで、国家資格である介護福祉士の受験資格が得られます。そして、そんな福祉科の授業には、ある伝統が…。
清水さん:
「『すくすく』って言うのがあります。福祉科目で60点以下を取ったら…」
パンサー向井さん:
「追試みたいなことだね(笑) このクラスですくすく受けたことある人はいますか?」
すると、何と全員が挙手。学ぶことの多い福祉のプロへの道のり、なかなか険しそうです。さらに取材を進めると、奥野さんから「西川さんのある行動に困っている」という悩みも…。
奥野さん:
「西川さんと、その彼氏の間の席に私がいて、見つめあってるんです…」
パンサー向井さん:
「このクラスにいるのか!それは困る、挟まれたら(笑)」
続いて、実習の様子を見せてもらいました。細かな気遣いが必要だという介護福祉の仕事。介護が必要な人の障害の内容やその原因など情報が書かれた課題シートを使い、どのような支援が必要なのかを考えながら実践します。「盲目で言葉が話せない」という人の場合…。
奥野さん:
「ベッドから立つ際に安定が大事なので、手すりのほかにも、『足ついてますか?』と確認します。次に利用者の体調です。話せなくても身振りなどで伝えてくれるのでそれを参考にします。あと立つ前に、廊下は寒いと思うのでカーディガンを着てもらいたいと思うんですけど、居室内の物は利用者の持ち物なので許可を得てから行います」
向井さんも利用者役の生徒さんを相手に体験。立ってもらう時に手を持って、少し引いてあげると立ちやすいことなど、細かな支援方法について教わります。
介護で大切なのは、相手の尊厳を大事にして接すること、そして、できることは自分でやってもらうこと。これも重要な気遣いの一つなんだそうです。
パンサー向井さん:
「これ、その人に合わせて介護するってなると、けっこう頭使わないとだね」
実は海翔高校は去年、県大会・東海大会と勝ち進み、介護の甲子園「全国高校生介護技術コンテスト」にも出場するほどの実績を持つ学校なんです。
そして、介護福祉施設で行われた校外実習では、やりがいを感じる経験をした生徒も…。
山田さん:
「『今日で最後なんです』という話をしたら、利用者さんにすごく泣かれてしまって…。その時は、頑張って実習していて良かった!と思いました」
今回感じたこととは?
福祉について日々学んでいる高校生たちと触れ合った向井さん。今回、感じたこととは…。
パンサー向井さん:
「福祉のイメージが変わりましたね。本当に一人一人に合わせて接するというのは勉強になりました。AIとか自動化、機械化みたいなのありますけど、この福祉の分野はそういうのでは補えないなと。人と人が一対一でやらないと無理な分野なんだということを改めて感じることができました」
海翔高校福祉科2年生の皆さん、ありがとうございました!