麺にたどり着けないほど野菜がモリモリ!元洋食店ならではのオリジナルを極めた「冷やしらーめん」
ホクホクの炒飯に、アツアツの麻婆豆腐。人気町中華には、お客さんをトリコにする看板メニュー、通称「常連メシ」が存在します。今回は、名古屋市・瑞穂区の「比那屋」で提供される、唯一無二の異色なビジュアル麺料理を紹介しました。
異色のビジュアル!?10種類の具材が乗った冷やし中華
「比那屋」では、一般に言う“冷やし中華”を「冷やしらーめん」と呼び、どこから見ても野菜サラダのようなビジュアルです。お客さんたちは粘り強く野菜を食べ続け、ようやく麺に到達していました。
(男性客)
「うまいっす!めちゃくちゃうまいっす!冷やし中華注文するのは、この店だけ!他で食べるのはもったいない、家で食べるのと一緒。この店は違うから注文する」
爽快感を覚えるほどの野菜たっぷりの一品。店主・佐々栄治さん夫婦は、オーダーが入ると2人がかりで野菜を盛り付け。具材は、レタスやコーンなど、9種類の野菜と紅ショウガが乗っています。種類も量も多いため、営業中は常に仕込みに追われているそう。
(店主・佐々栄治さん)
「最近また(野菜の)ボリュームを増やした」
太っ腹な店主が盛り付ける野菜の量の多さに、つい冷やし中華であることを忘れそうになってしまいます。
自家製の手打ち麺とオリジナルのタレが自慢
冷やし中華には「麺」も重要です。
(男性客)
「麺の手づくり感。ここは手打ち麺」
「比那屋」で使用している麺は全て自家製。野菜の多い冷やし中華にも合うようにと、3種類の小麦粉を独自ブレンドしたちぢれ麺を使用しています。
(店主・佐々栄治さん)
「(Q麺を買った方が時短では?)それだと別料理になる!」
タレは、しょう油・砂糖・酢と、「企業秘密の洋食系調味料」を加えることで、野菜と麺の相性を引き立てています。
また、ハムの代わりに熱々の唐揚げを乗せた「冷やし唐揚げらーめん」も、ファンが多いメニュー。
(男性客)
「(唐揚げの)こってり感と、さっぱり感がちょうどいい。衣がおいしい」
唐揚げはオーダーが入ってから、味付けをして揚げます。鶏むね肉にデンプンをまぶして揚げるため、「冷やしらーめん」に乗せてもカリカリ食感が楽しめるのだとか。
“野菜サラダ”がルーツ!洋食出身の先代店主が考案
なぜ、個性的ビジュアルの冷やし中華が誕生したのでしょうか。
(男性客)
「(Q誰が考案した?)もう引退された先代店主」
「冷やしらーめん」生みの親は、先代店主の父・佐々芳美さんです。
(先代店主・佐々芳美さん)
「前の店では普通の冷やし中華。新店舗で『変わったメニューをやりたい!』となった」
2024年で創業52年になる「比那屋」は、元々別の場所に店を構えていました。46年前に現在の場所に店を移転した際、新たな看板メニューの開発に乗り出しました。
(先代店主・佐々芳美さん)
「町中華やる前は、実家がレストランをやっていた。土日はレストランを手伝う、洋食出身。野菜サラダからヒントを得て、サラダ風冷やし中華」
冷やし中華のタレに、洋食系調味料の隠し味を加えたのも、先代店主のなせる一工夫。開発当時は健康ブームの最中だったこともあり、“サラダ風の冷やし麺”は瞬く間に人気メニューになりました。
(女性客)
「血糖値が気になる。外食するなら『コンビニのサラダ食べたら?』と医者から言われる。これ(冷やしらーめん)はちょうどいい!」
罪悪感なくお腹いっぱい食べられる異色メニュー「冷やしらーめん」を求め、今日も常連客が集まります。
CBCテレビ「チャント!」9月3日放送より