熱々の麻婆豆腐に、ジューシーな焼き餃子！時々、無性に食べたくなる味が大衆中華料理店、通称「町中華」です。人気町中華には必ず、長年愛されてきた「常連メシ」が存在するもの。常連客を唸らせる「看板メニュー」には、一体どんな“ルーツ”が隠されているのか？町中華「常連メシ」誕生秘話では、名古屋市港区と中区にある「中国上海料理 豫園」の「フカヒレあんかけ炒飯」を調査しました。

高級食材フカヒレなのにお値打ち！？老若男女の推しメニュー

ディナータイムには満席必至の、愛知県名古屋市港区築地口にある中国上海料理「豫園」。同じく名古屋市中区にある「豫園金山店」も、開店とともに客がなだれ込み、瞬く間に満席になります。

そんな常連客達が次々とオーダーしていくのが、２つの店舗に共通する大人気メニューが「フカヒレあんかけ炒飯」です。高級食材フカヒレがお値打ちに食べられるとあって、ヤミツキになるファン続出！まるで飲みもののように炒飯を流し込むお客さんも。

（男性客）
「（Qフカヒレってこんな食べ方？）シメのラーメンの代わり。お手頃だわ。お手頃で食べられる」

自家製中華スープをベースにつくる“あん”には、1本1本丁寧にほぐした国産フカヒレをたっぷり投入。片栗粉でとろみをつけたら、最後に企業秘密オリジナルブレンドの“仕上げ油”を注いで完成。その食感には女性ファンも多く、美を追求する女性たちを虜にしています。

（長年フカヒレを食べる常連客）
「キレイにならなくちゃ！コラーゲンだもん」

家族連れで来ているお客さんの中には、幼稚園の頃から食べていて、大好物だという小学生の女の子も。みんながこぞって注文していました。

メニュー考案者は世界料理オリンピックで金メダルの凄腕シェフ！？

老若男女に愛されている豫園の「フカヒレあんかけ炒飯」。常連客の中には、お店の開店当時から通っているという男性客の姿も。

（男性客）
「生みの親は陳さん。陳国良さん」

「フカヒレあんかけ炒飯」を考案したのは、引退し故郷上海に帰国した初代オーナーシェフ陳国良さん。実は、世界料理オリンピックで金メダルを獲得するほどの超凄腕シェフだったそうです。

中国料理では本来、フカヒレをあんにして炒飯にかけることはありません。「フカヒレあんかけ炒飯」は、28年前上海から日本に渡り、名古屋市港区に店を開業した初代オーナーシェフが日本進出にあたり、起爆剤として持ち込んだ特別メニューだったのです。

（金山店オーナーシェフ・陳輝さん）
「中国ではフカヒレスープなんです。フカヒレスープの味を濃くして、丼ものにしてもおもしろいのではと」

濃厚なフカヒレの“あん”を最大限味わえるよう、チャーハンは玉子とご飯のみ！調味料は一切入れません。

“超”がつくほどお値打ち！繁盛店だからできる優しい値段設定

高級食材フカヒレを、あんかけ好きの名古屋人にリーズナブルなお値段で食べてほしいと考案された「フカヒレあんかけ炒飯」。しかし、本来フカヒレは高級食材です。

（金山店オーナーシェフ・陳輝さん）
「原価とあわない。赤字ではないけど…みなさんの努力で！」

本当なら2000円台後半くらいは欲しいと言いますが、繁盛店だからこそできる庶民にやさしい値段設定でした。超お値打ち「フカヒレあんかけ炒飯」を求め、今日も常連客がこぞってやって来ます。

CBCテレビ「チャント！」11月21日放送より