加藤愛が行く!岐阜・恵那市岩村町の愛されフード『菊いもの味噌漬け』を調査! 漬け込み作業の真っ只中!見た目も味も不思議な一子相伝の漬物
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフードを加藤愛が全力で調査します。今回は、『岐阜・恵那市岩村町』の『菊いもの味噌漬け』です。
コリコリシャキシャキがたまらない! 伝統の漬物
聞き込みによると、『菊いもの味噌漬け』は、見た目はショウガのようなイモで食感もコリコリ。みそ味で色も濃いですが、アッサリとした不思議な漬物。『水半(みずはん)』という漬物店の商品だとか。
おじゃましたのは、岩村城の城下町にある『水半名物販売店』。創業100年以上という老舗で、漬物はもちろん、手作りの総菜や新鮮な野菜も販売する地域密着型の店です。中でも、地元の人なら知っている看板商品『菊いもの味噌漬け』は一見、煮物のようですが、切ってみると漬物。この店では『唐いも味噌漬』という商品名です。
「みその塩味はしっかり感じるけど、アッサリしている。あと何より食感!コリコリシャキシャキです」と愛ちゃんは味わいました。
“飛騨・美濃伝統野菜”にも指定されているいびつな形のイモ
菊のような花を咲かせることから名が付いたという『菊いも』は、地中ではジャガイモなどと同様にたくさんのイモが育ちます。諸説ありますが、元々は北アメリカ原産の雑草で、日本には江戸時代末期に家畜の飼料として伝来。岐阜県では恵那市や中津川市などで古くから栽培し、“飛騨・美濃伝統野菜”に指定されています。味噌漬けや粕漬けに加工され、郷土食として地元の人たちに親しまれているのです。
菊いもをよく洗ってそのまま切ると、とてもみずみずしく、生でも食べられるとか。愛ちゃんは「ちょっと優しい甘さがありますね。イモっぽくない!」と、梨のようなフルーツ食感を味わいました。このイモを漬け込む作業は、収穫時期の11月下旬から1月までのおよそ2か月間。300キロに上る菊いもと自家製味噌に砂糖を加えた漬け込み用の味噌を交互に重ねて、1年分をすべて仕込みます。途中、天地返しをしながら半年以上寝かせると、イモの新鮮な食感を残したまま、味噌の味だけが芯まで染みたコリッコリの漬物に仕上がるのです。
江戸末期から続く160年の伝統の味を守る家族
この店の漬物作りの始まりは、江戸末期の文久年間。元々は煮物などの総菜や酒などを提供する“煮売り茶屋”として創業し、料理旅館へと拡大。その当時、料理の一品として出していたのが『菊いもの味噌漬け』で、あまりの美味しさに販売を望む声が相次ぎ、漬物専門店として独立したのが『水半名物販売店』です。作り始めてからおよそ160年受け継がれてきた漬物ですが、2022年の年末、3代目が急病で他界。製造法は一子相伝のため、家族に詳細は伝えられておらず、廃業を考えたそうですが、亡くなる1か月前に4代目を継ぐ決意を父に伝えていた次女の喜久枝さんが中心となり、現在、家族一丸で伝統の味を守っています。4代目となってから2度目のシーズンを迎え、この冬に仕込んだ『菊いもの味噌漬け』が春頃から販売される予定です。(*現在、商品はありません)
(CBCテレビ「チャント!」1月17日(金)放送より)