「肩・ひじ治療」「強度近視治療」世界最高峰の技に密着…病に悩む患者の「最後の砦」最新スーパードクターファイル
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、
医療法人社団TSOC理事長
TSOC北参道院長
医学博士 菅谷啓之先生
東京科学大学
医歯学総合研究所 眼科学
医学博士 大野京子先生
の二名です。
今回のテーマは「〜病に悩む患者の「最後の砦」〜最新スーパードクターファイル2」
治療方法が見つからず、長年悩んできた病を解決に導く「最後の砦」と呼ばれるスーパードクターをご紹介します。
スーパードクターファイルNo.1「菅谷啓之」
<日本中から依頼が殺到!肩・ひじ治療「最後の砦」>
1人目のスーパードクターは、TSOC北参道院長の菅谷啓之先生。先生のもとには、肩やひじの病で悩む患者が日本中から集まります。先生はカルテの記入を専門のスタッフに任せているため、1日の患者の数は100人以上、年間のべ12,000人以上。世界的にも高く評価されるその技術を学ぼうと、海外から訪れる医師は後を絶ちません。さらに、多くの一流アスリートからも絶大なる信頼を寄せられています。
<10年以上の悩みを4分で解決!>
この日先生のもとを訪れたのは、10年以上右側の肩こりに悩んでいるという女性。どこの病院でも原因が分からず、藁にもすがる思いでここへやってきたと言います。先生は、慣れた手つきで肩・ひじの可動域を素早くチェックすると、肩こりがある右関節の硬さに注目。診察開始からわずか4分で、肩こりの原因が肩関節のズレであることを見抜き、肩の関節を正しい位置に戻しました。先生によると、肩関節は腱や筋肉で固定しているため、悪い姿勢などの影響で簡単にズレてしまい、本来の力を発揮できなくなってしまうそうです。その結果、他の筋肉でカバーすることになり、肩こりなどの症状が出るのだとか。つまり、肩関節を正しい位置に戻すと本来の力を出せるようになり、肩こりの改善も期待できるそうです。
<一流アスリートから絶対的信頼!>
多くの一流アスリートからも信頼を集める菅谷先生。その真骨頂は手術にあります。この日行われたのは、靭帯の緩みを戻す修復手術。「関節鏡視下手術」と言って、太さ2〜4mmほどの関節鏡といわれる特殊な小型カメラを約5mmの穴から差し込み、関節内を見ながら手術を行います。傷口が小さく、筋肉を傷つけないので身体への負担が少ないのが最大のメリット。しかし、限られた視野で行うため医師には熟練した高い技術が要求されるそうです。先生は、この手術を年間700件以上行っている国内屈指のトップランナー。通常1時間半ほどかかる手術ですが、先生はわずか50分で終了。手術のスピードは、麻酔の量や出血を抑えられるため、患者の負担軽減と、1日に治せる患者数が増えるという2つのメリットがあるのだとか。そして、先生が多くのアスリートから信頼を得ている理由は、術後のパフォーマンスが落ちない事。手術を終えるとすぐに手術記録を描きはじめる菅谷先生。日々積み重ねる膨大なデータと経験が、卓越した技術を支えていました。
<重視するのは診察・治療・リハビリテーション>
先生は病気を治療する際に「診察」「手術」以外に「リハビリテーション」を重視しています。手術なしで、リハビリだけで治せるケースも多いのだとか。そんな菅谷先生は、より多くの患者を治療するため、2025年1月に「医療法人社団TSOC北参道」を開設したそうです。(※菅谷先生の診察は北参道で受けられます。詳しくは病院の公式サイトでご確認ください)
スーパードクターファイルNo.2「大野京子」
<強度近視治療「最後の砦」>
強度近視とは、メガネやコンタクトレンズの度数がマイナス6ジオプトリーよりも強い近視のこと。目の前に指を置いて約11cm以内に来ないと、指紋がはっきり見えない状態だそうです。近視が強くなる原因は遺伝的な部分が大きいそうですが、強い近視患者は本来丸い形をしている眼球が、ラグビーボールのように変形しているのだとか。このことを世界で初めて証明したのが大野京子先生。先生は、世界中の眼科医から1年に1人しか選ばれない権威ある賞を日本人として初めて受賞しました。
<病変を見逃さない奇跡の観察眼>
大野先生が勤務するのは、東京科学大学病院内にある日本で唯一の強度近視専門の外来。50年の歴史を誇り、登録患者は6,000名以上を数えます。この日訪れた強度近視の患者は、地元の眼科で白内障と診断され手術を勧められたが、自覚症状に乏しく本当に手術が必要なのか気になり大野先生のもとを訪ねたとのこと。先生が「これが命」というレンズを使い患者の眼を見てみると、白内障とは異なる病変を発見。診察の結果、白内障の手術はまだ必要なく、緑内障の疑いがあるので追加検査を行うことになりました。緑内障は、早期発見で進行を遅らせることができるそうです。他の病院では指摘されなかった小さな病変を見逃さない鋭い観察眼。これが、大野先生がスーパードクターたる所以です。
<緑内障を招く強度近視の恐怖>
正常な眼球は丸く、その後ろ側にはスクリーンの役割を持つ網膜があります。この網膜はミルフィーユのように層が分かれていて、眼球が伸びて強度近視になると網膜が分離してしまうことがあるのだとか。その部分には映像を脳に届ける視神経の入り口があるため、
失明の恐れがある緑内障などの合併症につながる恐れがあるそうです。
<世界が注目!常識を覆した画期的な手術>
大野先生が世界的な評価を受けている理由に、先生のグループが考案した画期的な手術があります。分離した網膜を治す「硝子体手術」は、網膜をひっぱり分離を招いている約0.07mmの薄い膜を剥ぐというもの。剥がすことで網膜を引っ張る力がなくなり、分離した網膜が自然に元の状態に戻るのだとか。しかし、従来の手術では膜を剥ぐ際に、中心部の黄斑が傷つき「黄斑円孔」という視力が低下する合併症が約15%の確率で起きていました。そこで2015年に大野先生たちが発表したのが、黄斑部分だけを残しその周りをドーナッツ状に剥ぐという方法。その結果、合併症がほぼ0になったそうです。今では世界の常識となったこの手術、その技術力はいまだ大野先生たちのグループが世界トップクラス。その技術を学ぼうと、色々な国の医師たちが見学に訪れているそうです。
<強度近視で失明する患者を0にしたい>
強度近視患者は、緑内障のリスクが2〜3倍に上がるそうです。「近視だからよく見えない」と放置して手遅れになるケースも多いので、強度近視患者は緑内障に特に注意が必要なのだとか。大野先生の今後の目標は「強度近視で失明する患者を0にしたい」。病変が出てからだと治療が難しいので、病変が出る前に疾患を予防・是正すべく日々診療に臨んでいるそうです。
(2025年1月19日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)