その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！　その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。

今回は、『愛知県春日井市』の『ハオユー麺』です。聞き込みをすると、『仙楽(せんらく)』という中華料理店の人気料理で、あんかけ焼きそば風のものだとか。どうも、ショウガが味のポイントになっているよう。

中華料理『仙楽』は、創業1970年。現在は2代目が店を切り盛りする、春日井市民御用達の町中華です。そんな仙楽の名物『ハオユー麺』は、軽く焼いた麺の上に、ショウガとネギがたっぷりの餡をかけたもの。早速、麺に餡を絡めていただくと、「まず、ガツンとショウガの食感と香りが来ます」と個性的な味のよう。しかも、聞き馴染みのない名前の『ハオユー麺』。ご主人が「作ったのは僕です」と教えてくれました。

“ハオユー”とはオイスターソースのことで、40年ほど前、初めて出会ったこの調味料を生かした料理を作りたい…と考案したとか。たっぷりのショウガとネギの餡に、オイスターソースを合わせてみると、これがソースの味を際立たせるおいしさに。当時のことを「シンプルに作りました。手を加えないことが一番おいしいと思って」とご主人は振り返ります。そして、誕生以来変わらぬ、仙楽ランチの看板料理に！

実は、『ハオユー麺』の単品はなく、『ハオユー麺セット』として、スープ・ご飯・サラダ・から揚げ2個と共に提供。これでなんと、990円！ご主人のおススメの食べ方は、から揚げにハオユー麺の餡を絡めて食べることだそうです。

初代である父親が体調を崩し、23歳で店を継いだ2代目ご主人。『ハオユー麺』を考案後もオリジナルの料理を考えては、まず、まかないで披露しています。店のスタッフからも意見をもらって、実際に商品化した料理もたくさん。

常に新しい味を追求しているご主人ですが、なぜか『ハオユー麺』だけは40年以上、同じ味。「これは、足しても引いてもおいしくない。これじゃなきゃダメ。自分が考えたオリジナル料理の原点」と語るご主人。この店にしかない変わらぬ味の料理は、地元の皆さんに根づいた愛されフードでした。

（7月13日(木)　CBCテレビ「チャント！」より）