その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている！　その町で生まれ、町に根づく愛されフード。CBCの加藤愛アナウンサーが全力で調査します。

今回は、『愛知県安城市』の『おっぱいまんじゅう』です。

大胆な名前の愛されフードを調査すると、その名の通り、見れば納得の「おっぱい型」の和菓子のようで、白くてフワフワの餅に、中身はカスタードクリームだとか。地元では、見慣れたもののためか、皆さん照れることなく教えてくれたのが印象的です。

情報を得て、おじゃましたのは『北城屋・百石総本店（きたしろや・ひゃっこくそうほんてん）』。昭和24年創業の地元屈指の老舗和菓子店で、普段のおやつから、ここぞという日の土産物まで、常時50種類以上が並ぶ、安城市民御用達の店です。店内に置かれた『おっぱいまんじゅう』を見つけた加藤アナは、「可愛いおっぱいがいっぱい並んでいます！」と驚き、皿に移したものを手渡されると「よりリアルになった気がする」と笑みがこぼれました。

再現度の高い『おっぱいまんじゅう』を手で持ち上げると、想像以上に柔らかく、味わってみるとモッチモチ。中はカスタードクリームがたっぷりで、和菓子に使っても合うことに感動した様子。まず、羽二重餅でも大福でもない絶妙なモッチリ感の皮はどう作られるのか？というと、餅粉と水に砂糖を加えて作った柔らかめの餅に、ゆっくりきめ細かく泡立てた卵白を加えて、ふんわりと混ぜ合わせると、柔らかく滑らかで、真っ白な生地になるそう。この独特のふわふわモッチリな食感に合うように、カスタードクリームはシュークリーム用よりも硬く、でも食べると餅と馴染むように仕上げているのだとか。香りづけに必須のバニラビーンズはあえて使わず、あくまでも和菓子として考え抜いた究極の組み合わせなのです。

実はこの『おっぱいまんじゅう』、正式名称は『べっぴんじゃん』といいます。考案者は2代目女将で、女性を表現したお菓子を作りたい！という夢から『べっぴんじゃん』という名前を先に商標登録。後に商品化する際「“べっぴん”とは…心が美しい人！ハート…胸だ！」と思ったそう。そこで、ご主人に「女性の胸の形のお饅頭を作って」とお願いしますが全く受け入れてもらえず、当時の工場長に相談。女将さんの面白いアイデアを形にしようと、工場長は試行錯誤して特製のカスタードクリームを開発し、巨大なサイズまでも作り上げました。

そして、商品が完成しテレビで紹介された時に、司会の明石家さんまさんが「これは、おっぱいまんじゅうや！」と言ったことで、その名が広まったとか。店のスタッフの中にも、働き始めて『べっぴんじゃん』という正式名を知った人も。

さんまさんの一言で、『おっぱいまんじゅう』が30年間親しまれる愛称となり、地元の若い世代を中心に変わらず愛され続けています。

（6月8日(木)　CBCテレビ「チャント！」より）